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アカゲラ

旬のもの 2022.12.06

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こんにちは。科学ジャーナリストの柴田です。
ついに待ちに待った12月がやってきました。冬の森は静寂の世界で、生きものなんて何もいない寂しい季節と思っていませんか? ところが鳥に限っていえば、日本の平地の森は、秋から冬にかけてが1年で一番賑やかなときなんです。それは夏の間、北の国や高い山にいた鳥たちが、冬越しのためにぞくぞくと平地にやってくるから。種類や個体数が1年で一番多い、バードウォッチングをするには最適な季節なのです。

今回、紹介するアカゲラも、冬になると山から平地の森へやってくる鳥の一つです。ただし、年によっては来たり来なかったりする気まぐれな鳥なので、出会えたらラッキーという感じでしょうか。バードウォッチャーの間では、「今年はアカゲラが来ているね」なんて、挨拶代わりの話題になったりもします。

アカゲラは大きさ約24センチ、これぞキツツキという感じがする代表的なキツツキ類です。日本では北海道と本州に生息していて、四国にはごく少数がいる程度。九州以南には生息していません。北海道や東北では数が多く、札幌などでは街中でも樹木が多い場所なら普通に見られる鳥です。白と黒の体の色に、赤いパンツをはいたようなお尻の赤が目立ちます。背中には逆八の字型の白斑があり、これがアカゲラのチャームポイントです。オスの後頭部には、ちょっとだけ赤い部分がありメスと見分けられます。しかし、見る角度によっては確認できないことがあり、オスなのかメスなのか判断できずにやきもきします。

背中の逆八の字型の斑紋が目立つ

以前、このエッセイのコゲラの回でもご紹介しましたが、名前のゲラとはキツツキの古名です。キツツキは、平安時代には“テラツツキ”という名前で呼ばれていて、鎌倉時代になると“ケラツツキ”とも呼ばれるようになりました。そして、今でもキツツキの古名であるケラを和名につけているのです。

それにしても、このテラまたはケラとは何でしょう。一説によると、テラとはお寺のことで、キツツキにはお寺などの木造建造物の壁や柱をつついて穴を開ける習性があり、それにちなんでこの名がついたというのです。そして、その寺が時間が経つにつれケラに転じてケラツツキになったというのがこの説です。また、ケラとは虫のことで、虫を食べる鳥だからケラツツキという名前になったという説もあります。ただ、これだとテラがなんだかわからないですね。

枯れ木の中に潜む虫を採食する

このテラツツキという名前には、こんな伝説があります。
昔、蘇我馬子が聖徳太子と共に物部氏を滅ぼし、その後、四天王寺を建立しました。すると鳥が飛んできて、四天王寺の柱をつついて壊してしまったのだそうです。この鳥は物部氏の怨霊に違いないとなり、それからテラツツキと呼ばれるようになったというのです。その後、テラツツキは、聖徳太子が化けたタカに追い払われて出なくなったという話もあります。

雪の中のアカゲラの雄

このテラツツキ、怨霊とかなんとか言われているうちに、なんと江戸時代には妖怪にされてしまいます。物部氏の怨霊が化けた妖怪寺つつきといったところでしょうか。ちなみにこの妖怪の正体はアカゲラだといわれています。実際に今でも、山の別荘の壁がアカゲラによって穴を開けられ困ったなんて話を聞きます。お寺や別荘などにアカゲラが穴を開けることはそう珍しいことではないようです。

アカゲラが、お寺や別荘を壊してしまっては困りますが、この木に穴を開ける能力は、自然界ではとっても大切な役割を担っています。アカゲラが穴を掘るのは、ヒナを育てる巣を作るためです。また、自分自身も夜は穴の中で眠ります。巣穴は毎年、新しいものを掘るので、使わなくなった古い穴の空き物件がたくさん発生します。すると、それをモモンガや小型のフクロウなどの他の動物が利用するのです。

森にはモモンガをはじめ、自力では木に穴を掘ることができない生きものがたくさんいます。そんな動物たちにとって、アカゲラは家を作ってくれる大工さんのような存在です。なにしろ大工道具のノミみたいな嘴で太い生木にも穴を開けてしまうほどの腕前ですから、森の大工さんとしていてもらわないと困る鳥なのです。こういった生きもののすみかを作り出す生物を、生態学では生態系エンジニアと呼び、生態系の中で重要な役割を担っている生きものとされています。

巣穴を掘る雌

昔は妖怪として恐れられ、今は生態系エンジニアと称され重要視されるアカゲラ。当の本人は、昔からただ木に穴を開けているだけなのですが、なんだか人って勝手だなあ思ってしまいます。

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柴田佳秀

科学ジャーナリスト・サイエンスライター
東京都出身、千葉県在住。元テレビ自然番組ディレクター。
野鳥観察は小学生からで大学では昆虫学を専攻。鳥類が得意だが生きものならばジャンルは問わない。
冬鳥が続々とやってくる秋が好き。日本鳥学会会員。

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