こんにちは。料理人の川口屋薫です。
今日のお話は「百合根」です。

百合根は、茶碗蒸し、お節料理、日本料理など特別な日に食べるイメージを持っている方が多いと思いますが、実は色々な料理に使える野菜です。
一番簡単に出来る百合根のバター焼き。フライパンでバターと炒めるか、アルミホイルに包んで蒸し焼きにします。


次は、茹でた百合根のちょい足し。例えば、いつものサラダ、オムレツ、コロッケに少し混ぜ込むだけ。素揚げも良し。私は、生の百合根と海老と爽やかな香りの三つ葉で、かき揚げをよく作ります。
ご紹介した料理は、冷めてもおいしくいただけるので、お弁当に入れてもいいです。百合根の上品なほっくりした甘さは料理のアクセントになります。
これからの寒い冬にはグラタンやカレー、クリームシチュー。百合根のポタージュはバターで炒めた玉ねぎと百合根が浸るくらいの水と固形ブイヨンを加え煮た後、ミキサーでペースト状にします。再びスープ鍋に入れて、牛乳か生クリームでのばして、温めたら完成です。

百合根の下処理は、水洗いした百合根の黒い部分をピーラーで軽く削って、一片ずつ解きほぐすと簡単ですが、もう一つ下処理を兼ねた飾り切りを楽しんでみませんか?
「トキ百合根」と言って、見た目が綺麗になり、煮崩れしにくくなる切り方で、煮物野菜を面取りするのと同じです。百合根を1片ずつ解きほぐした後、大きめの片のみ使います。ペティナイフを上から下へ動かしながら、周りをスーッと細く削ります。百合根を持ち替えて、もう側面を同じように削ります。次に表面や内側の黒い部分や茶色の部分を、刃先で軽く搔くように削ぎ落とします。

変色を防ぐために、水の張ったボールに入れて、毎日水を変えながら数日ほど冷蔵保存できます。
2、3片でも良いので「トキ百合根」を作ってみて欲しいです。白無垢の花嫁さんのような輝く美しさにうっとりしますよ。

また、百合根は下処理も入れると手間がかかる野菜ですが、丁寧な作業や飾り切りは、日本料理の美しさに欠かせないものだと思うので、日本の文化に触れ、ちょっと受け継いでいるような気持ちになり、心が豊かになりそうです。

最後に百合根の栽培ですが、途方もない年月と労力を必要とします。種芋になるまで3年、植え付けから収穫まで3年、合わせて6年かかります。毎年畑から掘り起こし、別の畑へ植え付け、百合根に栄養が行き渡るように、花が咲く前に蕾を摘み取ります。

百合根は傷がつきやすいため、ほぼ手作業で行わなければなりません。百合根が他の野菜に比べて値段が高い理由が分かりますね。お正月を過ぎると、少し価格が下がり、春先まで売られていますので、ご紹介させて頂いた料理を楽しんでもらえたら嬉しいです。

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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