おはようございます、こんにちは、編集者の藤田華子です。
セーターやマフラーといったモコモコのニット、冬のファッションの醍醐味ですよね。
私は自分がそうした服に包まれるのはもちろん、誰かが、たっぷりとしたセーターを着ている姿を眺めるのも大好きです。寒い日、喫茶店でココアを啜りながら、目の前にいる人がそんな服を着ていたらとても素敵。

今日は、編み物についてです。
まず、ニットと聞いてどんなものを思い浮かべますか?
編んである服や布地という広い言葉で、実はジャージもカットソーもニットの一部。ジャージは、天竺生地(メリヤス。編み物の古い呼び名です)の別名で、カットソーはニット素材の生地を裁断・縫製して作られる衣服の総称です。

世界的に見るとその歴史は古く、なんと、編み細工である網が発見されたのは今から約3万8千年前。つまり旧石器時代です。当時、人々はまだ土器を持たずに動物の骨や角を用いて器を作り、狩猟や採集活動を行っていました。その頃に、生活を営む道具を作るため、編み物が始まったのです。次第に用いられる素材もどんどん増え、藁や紐、竹などで籠や敷物などの生活道具や衣類が作られていきます。
ちなみに、日本で最初に編み物を身につけたのは誰だと思いますか?
ヒント①
日本に編み物が入ってきたのは、江戸時代に入る少し前、1600年前後にポルトガル人やスペイン人によって伝わりました(羊を飼う習慣がほとんどない国なので、遅かったんですね)
ヒント②
日本で初めてラーメンを食べたという説も残るあの人です。
正解は、水戸黄門として知られる徳川光國!彼が着用していた絹や綿の靴下が、日本に現存する最も古い編み物だといわれています。そこから徐々に手編みの文化は庶民にも普及し、足袋、手袋、印籠下げ、襦袢、股引などが作られていきます。

そんなふうに、歴史を超えて今なお伝わる編み物。興味があるけど難しそう、器用じゃないとできないんじゃないと思っている方の肩を軽くするような魅力を「zayca」というブランドでニットの服や小物を作っている小林花さんが教えてくれました。編み図に沿って緻密に編んでいく方法もありますが、小林さんの作品は自由な軽やかさが印象的です。
「このパーツとこのパーツを合わせたらかわいいかなって、毛糸のなかにテープのような素材を入れ込んだり、心の赴くままに編んでます。編み物は、自由で優しいんですよ。間違えてしまってもほどけばやり直しが効くし、自分のペースでできますし」

「ただ毛糸に触れているだけでも、気持ちが落ち着くんですよ。欧米では、“編み物療法”や”ニットセラピー”といって、心を落ち着ける効果もあると言われているんですよ」と教えてくれました。
実は最近、私も編み物を始めてみました。ミミズのマフラーみたいな(笑)一本の紐や、ちょっとしたパーツなど基本に挑戦中なのですが、黙々と編んでいる時間は心が凪いでいるのを感じます。

シンプルだからこそ工夫やアイデアを盛り込む余白がある、おおらかな編み物。寒い冬、何か始めたいなと思ったら、選択肢の一つにいかがでしょうか。心も体も、ぬくぬく温めてくれる素敵な趣味になるはずです。

藤田華子
ライター・編集者
那須出身、東京在住。一年を通して「◯◯日和」を満喫することに幸せを感じますが、とくに服が軽い夏は気分がいいです。ふだんは本と将棋、銭湯と生き物を愛する編集者。ベリーダンサーのときは別の名です。
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