こんにちは。気象予報士の今井明子です。
いよいよ冬本番です。今日は冬にふさわしい氷の神秘的な絶景について紹介します。
皆さんはアイスバブルをご存じでしょうか。
カナダなどの寒い地方の湖に見られる現象で、全面結氷した湖の中に気泡が閉じ込められたものです。凍った湖の上から底の方を眺めると、思わず吸い込まれてしまいそう!

日本ではおもに北海道の道東地方で見られます。特に有名なのが糠平湖で、ほかにも摩周湖や阿寒湖、オンネトーなどでも見られます。そこより低緯度の場所でも、標高が高いところにある湖なら見られることがあります。たとえば関東甲信越だと、長野県の立岩湖や群馬県の赤城大沼で見られることが知られています。
いずれにせよ、全面結氷するほど寒い場所にある湖で、なおかつ湖の水が透き通っていないときれいに見られないので、アイスバブルが見られる場所は限られています。

このアイスバブルの気泡の正体は、湖の底から湧き上がってくるガスです。近くに火山がある場合は火山ガスでしょうし、湖の底に積もった枯葉などをバクテリアが分解するときにもガスが発生します。普段は湖面から空気中に逃げてしまうのでガスの存在を意識することはありませんが、湖の表面が凍ると、「結構ガスが出ているものなんだな」と気づきます。

アイスバブルは、湖が全面結氷しないと見られません。かといって、全面結氷するような寒い場所は雪が降り積もります。全面結氷した後に湖の上に雪が積もってしまうと見られなくなってしまうのです。とても冷たそうだけれど、実は冬の始めの限られた時期にしか見られません。

しかもその年が暖冬ならいつもは凍る湖が全面結氷しないかもしれません。見られる場所が限られているうえ、見られるタイミングも限られているという、本当に珍しい絶景なのです。きっと実際に目にすることができたら、感慨もひとしおなのでしょうね。私も一度見てみたいです。


今井明子
サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。
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