こんにちは。気象予報士の今井明子です。
冬本番、毎日寒さに身が縮む思いがしますね。ついつい出不精になりがちですが、この時期に海や湖に行くと面白い風景が見られるかもしれません。
沖に浮かぶ島や船が、まるで浮いているかのよう。
これは「浮島現象」といい、蜃気楼の一種です。

なぜ、このような現象が起こるのでしょうか。それは、大気の下層と上層で気温が違うからです。浮島現象ができるときは、大気の下層が温かく、上層が冷たいときです。
海は温まりにくく冷えにくいため、冬になると陸地よりも海のほうが温かくなります。そして、海と接する大気の最下層も温められます。
温められた大気は軽いため、本来であれば上昇します。しかし、大気の最下層は海によって常に温められ続けているため、ずっと暖かい空気が下にあるように見えるのです。

温度の違う空気の層がある場合、光が屈折します。すると、沖にある島の下のほうに、島の上のほうの形が上下反転してくっついたような見え方をします。このとき、島の上にある空の部分まで反転すると、島が浮いているように見えるのです。
浮島現象のような蜃気楼は、実際の景色の下に虚像が見える「下位蜃気楼」です。ちなみに、真夏のアスファルトで水たまりのようなものが見える「逃げ水」も浮島現象と同じ下位蜃気楼です。逃げ水は、カンカン照りの太陽に照らされた地面に接する熱い空気と、その上にある比較的熱くない空気との二層ができることで発生するからです。

寒いときの外出は、「早く暖かい室内に入りたい!」と急ぎ足で目的地に向かいがち。でも、ふと沖を見てみるともしかしたら浮島現象に出会えるかもしれません。もし発見できたら、ちょっと得した気分になりそうです。

今井明子
サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。
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