こんにちは。気象予報士の今井明子です。
3月にもなると、あちこちで春の便りが聞かれます。ときには今までよりも薄着で外出できるような日も出てきます。暖かくなると、心がウキウキしてきますよね。

しかし、春というのは徐々に気温が上がっていくものではありません。この季節は「三寒四温」という言葉があるように、暖かい日と寒い日が交互に訪れます。そう、とても寒暖差の大きい季節なのです。
この季節の寒暖差をもたらす原因が、中国からやってくる移動性の高気圧と低気圧です。皆が「低気圧」と呼んでいる温帯低気圧は、暖かい空気と冷たい空気が出合うとできる低気圧です。温度の違う空気の境目には「温暖前線」と「寒冷前線」があり、温暖前線が通過すれば南寄りの風が吹いて温かくなり、寒冷前線が通過すると北寄りの風が吹いて寒くなります。

この季節は、前日との最高気温の差が5℃以上になることもよくあります。それだけ激しい寒暖差があると、体調を崩しやすくなります。これは以前からそう感じている人が多かったとは思いますが、最近では「寒暖差疲労」という言葉も出てきたため、より意識する人が増えてきているのではないでしょうか。

寒暖差を乗り切るコツのひとつが、服装選びです。「昨日は暖かかったから」と油断して外に出ると、思いのほか寒くて後悔することがありますし、朝にちょっとベランダに出て「暖かいから薄着でいいや」と思っていると、北寄りの冷たい風が吹き続けて帰宅する頃には凍えるほど寒い思いをすることもあります。
ですから、天気予報は最高気温と最低気温だけではなく、時間ごとの気温の変化がわかる「時系列予報」を見るのがおすすめです。外出時の時間は何℃なのかを見て、それに合わせた服装をしましょう。気温変化が激しい日の場合は、着脱しやすい服装を心掛けるとよいでしょう。

意外と見落としがちなのが風の強さです。気温がグンと上がる日、下がる日は風がそこそこ強いことが多いのですが、風速1m/sにつき体感温度が1℃下がるので、風が強い日は気温から風速を引いた数字で羽織物を決めるのがよいでしょう。
特に気温が大幅に下がる北寄りの風が吹くときは、風を通しにくい素材の上着を着ると、より効果的な防寒ができます。時系列予報には時間ごとの風の強さも表示されているので、そこでチェックすることをおすすめします。ちなみに、天気図で等圧線の間隔が狭いとそれだけ風が強くなるので、そこからなんとなく判断することもできます。

暖かくなると、ついつい油断して薄着したくなるのですが、思いのほか寒いとつらさもひとしおです。天気予報をしっかりチェックするだけで、日常生活が快適になってくるはずです。

今井明子
サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。
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