「本日、5輪以上の開花が確認できました。さくらの開花宣言です」
ワッと歓声がわき起こり、一斉にカメラのシャッターが切られる。
気象庁の職員が、心なしか誇らしげにさくらの木を眺める。
こんなニュースを見たことがありますでしょうか?
これは、毎年この時期になると気象庁が発表する「さくらの開花宣言」です。

さくらの開花宣言は、各都道府県にある「標本木(ひょうほんぼく)」を基準に観測が行われます。標本木は、気象台から近いところで、周辺の環境が変わりにくい場所にある木が選ばれます。全国に58本、北海道や鹿児島、沖縄には複数本あり、ソメイヨシノをはじめとしてヒカンザクラ、エゾヤマザクラを標本木として観測しています。
開花の基準は、5〜6輪の花が咲いたかどうか。
「満開」は、標本木のつぼみが8割以上ひらいた状態のことをいい、開花したさくらは1週間ほどで満開を迎えるといわれています。
※2021年から胴咲き(枝ではなく幹や根から咲く)による開花は対象外となりました。
私はテレビではじめて「さくらの開花宣言」を見たとき、新鮮すぎる光景におどろきました。
「咲きました」ということを全国に発表するために、標本木に大人たちが集まってソワソワする。今日は1輪、まだ2輪、とうとう3輪..4輪...まだかまだかと待ち望み、ようやく5輪以上の開花で正式に発表ができる。

ひとたび開花すると、連日花見客で賑わう様子がニュースで流れてきます。席取りをする人やブルーシートの上でお弁当を広げて宴会をする人..
みんなそれぞれに、淡くピンク色に染まった景色に浮き足立っているようです。
そんな様子を見ながら、「あぁ、今年はまだ花見をしていないな。いついこうかな..」なんて少し焦りながらカレンダーを眺めて予定を立てることもしばしば。
長く寒い時期に縮こまった身体を開放するように、思い思いのかたちで一斉に外へ出る。そのスタートの合図となるのが、「さくらの開花宣言」だと思うのです。

ただ、ここ数年は世の中に色々なことが起こり、外でお花見をする機会は減ってしまったかもしれません。
しかし少しずつ春が近づくように、少しずつ世の中の状況も変わってきています。
たとえ今までのようにたくさんの人と集まって..ということが叶わなくても、身近にいる大切な人と一緒に、ひとりでゆっくりと、お花見をたのしむ人が増えているように思います。
どんなかたちであっても長く待ち望んだ分、きっと、最高のお花見になる。
今年も「さくらの開花宣言」とともに、あたらしい春、よろこびの春を咲かせましょう。


高根恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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