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菜の花漬

旬のもの 2023.03.20

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漬物男子田中友規です。

京都の街では、ふとしたところに生花が飾られていることが多い。
地下鉄の改札やお寺のちょっとした廊下など、
誰が生けたのか、ふと考える暇もないほどの隙間にぽっと置かれているのだ。

詠人不知(よみびとしらず)ではないけれど、
あえて名乗ることもないさりげない生け方が何とも良い。

僕は恥ずかしながら花の名前をほとんど知らず、
日常に溶け込んでしまっているそれらの生花を
見過ごしてしまうのですが、この時期だけは別。

あ、菜の花。

まるで幼児がクレヨンで力任せに画用紙に一本線を引いたような
太く発色の良い黄緑の茎が堂々と生けられているのが目に飛び込んでくる。

街中に飾られた菜の花の生花は、畑をそのまま切り取ってきたような姿。
自然美というよりも、どこか土着性があり人の営みを偲ばせる。

この一本の菜の花の生花が、どうしてこんなに気になるのだろう、と
しばし考えたのだが答えは簡単。食べられるから。
特に美意識の話ではなく、春の味覚として舌が反応していただけのようです。

こうなると、菜の花でなにか作りたくなって
ふぅむ・・・と春の食材連想ゲームが始まります。

菜の花の天ぷら、菜の花のパスタ、菜の花の椀物。

食材を因数分解していき、味の方向性を考えてみると
天ぷらは鰹出汁、パスタはホタルイカ、椀物は貝出汁と
どうも合わせるものは魚介がいいようです。

仕事終わりの帰り道、手頃な菜の花を手に入れたのだが何を作るかはまだ未定。

とりあえずさっとお湯でアクを抜き冷水で色止め。
茹でることでクロロフィルという緑の色素が壊れ、
代わりに黄色いカロテノイドが鮮やかな色を見せてくれるんだそう。

艶やかな菜の花をキュッと絞り、昆布と塩を合わせて
3日ほど漬けておくとじんわりと水分が滲み出てきます。
何を作ろうかしばらくアイデアがまとまらないまま
4日、5日と時間が経ち、菜の花も出番待ち疲れ。
あ〜そろそろ菜の花が食べたい!と我慢も限界。

写真提供:田中友規

はまぐりで炊いたご飯や、鯛めしなんか最高なんだろうけど
いま家にあるもので海を感じるものがない。

しかたなく青のりと菜の花のおむすびをこしらえてみたところこれが美味しい。
緑色が美しく、いかにも春らしいじゃないですか。
四万十川のアオスジノリ、特に香りの良い春のりがいい。
どちらもほのかに苦味があり大人の味だ。

写真提供:田中友規

菜の花の新しい相棒を見つけ、良い気分でほうじ茶を啜る。

なぜだか春はほろ苦い。
子供のころにはわからなかった味なのに
なぜだか懐かしい感じがするのは僕だけじゃないはずだ。

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田中友規

料理家・漬物男子
東京都出身、京都府在住。真夏のシンガポールをこよなく愛する料理研究家でありデザイナー。保存食に魅了され、漬物専用ポットPicklestoneを自ら開発してしまった「漬物男子」で世界中のお漬物を食べ歩きながら、日々料理とのペアリングを研究中。

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