鯰(なまず)といえば、扁平な頭に長いヒゲ。そのユーモラスな姿形は思い浮かぶものの、味はどうでしょうか?鯰を食べた経験がないという方も多いかもしれません。
ですが、実はスーパーなどで売られているお弁当の白身魚のフライやフィッシュバーガーには鯰がよく使われているのです。知らず知らずのうちに、鯰を食べている方がほとんどかもしれませんね。

日本においては、内陸の水郷地帯では古くから身近な魚で、日常的に食卓にのぼってきました。
北関東に位置する群馬県の板倉町も、かつては渡良瀬川や利根川流域の河川が流れる水郷地帯でした。現在はその多くが埋め立てられ、住宅地に変わっているものの、川魚を食べる食文化は今も残っています。

中でも町内にある雷電神社の門前では、老舗の鯰料理屋が営業を続けています。その一つが1836年創業の小林屋。天然の鯰(マナマズ)のみを仕入れ、泥臭さを取り除くために生簀でしっかりと泥を吐かせてから調理をするため、鮮度抜群で風味豊かな鯰をいただけると評判のお店です。

店を代表する料理が「鯰の天ぷら」に「鯰のたたき揚げ」です。

淡白でやわらかな白身を味わうには天ぷらが最適。その姿からは想像もできないような上品な白身に驚くはずです。

春には鯰が卵を抱えるため、貴重な卵の天ぷらをいただくことができる場合も。ふわふわとした独特の食感は、白子のようでもあります。この味が忘れられず、毎年春に通う常連の方もいるそう。

たたき揚げとは、鯰を骨ごとたたいたすり身と豆腐、ニンジン、小麦粉、紫蘇の実などを混ぜ、味噌で味をつけた生地を丸めて揚げた料理。香ばしく揚がった外側はカリカリの食感で、中はふんわりもっちりとしています。

鯰は頭が大きいため、食べるのが体だけだと無駄が多くもったいない。頭や骨まですべて食べられるたたき揚げが、地元の家庭では好まれたそうです。
全国どこでも新鮮な海の魚が食べられる現代では、忘れられがちな川魚たち。まずは旅先で、名物料理を味わってみてはいかがでしょう。
取材協力:群馬県板倉町・小林屋
写真提供:清絢

清絢
食文化研究家
大阪府生まれ。新緑のまぶしい春から初夏、めったに降らない雪の日も好きです。季節が変わる匂いにワクワクします。著書は『日本を味わう366日の旬のもの図鑑』(淡交社)、『和食手帖』『ふるさとの食べもの』(ともに共著、思文閣出版)など。
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