毎年ゴールデンウイークの時期は、もう夏かな?と思うような陽気が続くことがあります。日中は暑くて、少し歩くと汗が吹きだしてくる。しかしまだまだ身体は暑さに慣れなくて、バランスを崩すようなことも。
そんな季節の変わり目に食べたくなるのが「旬のもの」です。
野菜、お魚、果物など、夏に先駆けてスーパーには色々な食材が出回ります。ちょうど気候もいいので、食欲も旺盛になる時期。旬のものは季節ごとに必要な栄養が詰まっているといわれているので、積極的に取り入れたくなりますね。
そして、旬の食材とともにぜひ味わってほしいのが「一番茶」です。
一番茶とは、その年の最初に生育した新芽を摘み取ってつくったお茶のこと。
一般的には「新茶」と呼ばれ、あたたかい地域から摘み取りがはじまり、桜前線のように北上していきます。

茶葉は、前年の秋頃から時間をかけて成長し、3月に入りあたたかくなると芽が出はじめます。そこから約1ヶ月かけてゆっくりと芽が伸び、葉の数も増えてくる。そして4月下旬から5月にかけて、その年の一番目のお茶を摘み取ります。
これを「一番茶」と呼び、その後に摘み取られるものは「二番茶」「三番茶」といいます。

一番茶は、初摘みにふさわしい「清々しい香りと味わい」が大きな特徴です。煎茶の主成分であり、甘みや旨みのもと「テアニン」が二番茶の倍以上含まれていて、品質が良い茶葉になるといわれています。
一番と二番、なぜこんなにも変わるのか。これは「生育スピードの違い」が大きく影響しています。
約半年もの時間をかけて育つ一番茶は、寒い時期は芽の成長が止まりますが、その間に芽や葉っぱに栄養分を蓄え、あたたかくなるとゆっくり栄養分を新芽に集めながら成長します。

対して二番茶は、一番茶を摘み取ったあとに短期間(約45日)で成長するので、同じ茶葉でありながら、テアニンは少なく苦味や渋味成分が強いお茶になるといわれています。
先日私は、奈良県奈良市の田原地区にある知り合いのお茶農家さんのもとへ遊びにいきました。茶畑をのぞくとちょうど新芽がではじめた頃で、太陽に照らされてキラキラと輝いていました。

寒い時期を乗り越えて、ゆっくりゆっくり成長した新芽。
段々になっている茶畑もいつもきれいに管理されているなぁと惚れ惚れ。茶葉も人も、こんなに広大な場所で育ったら伸び伸びと息がしやすくなるだろうなと羨ましくなります。

私にとって一番茶を味わうときは、すべてがごちそうの時間です。
袋をあけたときの、フワッと漂うフレッシュな香り。
湯呑みや急須にお湯を入れて、じっくりと待つ時間。
最後の一滴まで漏らさず注ぎ、
口にふくんだ瞬間に身体中に沁みわたる「旬」の旨み。

自然の恵みにありがとうの気持ちを込めて、今年も一番茶をたのしみたいなぁと思います。

高根恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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