こんにちは。気象予報士の今井明子です。
日本列島の多くの地域では、絶好の行楽シーズンですが、南のほうからそろそろ梅雨の季節が始まろうとしています。

梅雨入りは気象庁から地方ごとに発表されます。
沖縄・奄美地方はほかの地方に先駆けて、例年5月頃から梅雨入りが発表されます。
ちなみに、この梅雨入りのアナウンスですが、梅雨入り「宣言」ではなく「発表」です。
実は、気象庁の発表内容は「今日から梅雨に入りました!」と高らかに宣言するようなものではなく「本日、〇〇地方が梅雨入りしたとみられる」というような、なんだか歯切れの悪い言い回しなのです。
それもそのはず、梅雨入りを発表する基準というのは「天気図では梅雨前線がこの地方にかかっているので梅雨入りです!」というような、見てすぐにわかるものではありません。「どうも梅雨前線がこの地方からなかなか動かなくて、雨や曇りの日が続き、その後もしばらく似たような天気が続きそうだなあ」という総合的な判断をもとに発表されるのです。

というわけで、梅雨前線が登場していて少しぐずついた天気が何日か続いていても、そのあとにしばらくまた晴れの日が続けば、梅雨入りの発表はされません。
逆に、「かれこれ1週間くらい雨が続いているし、これからもしばらく続きそうだなあ…。よし、この地域は梅雨入りの発表をするか」ということで梅雨入りの発表があったあとに、晴天が続いてしまって「梅雨入りしたっていうニュースがあったのに、降らなくなっちゃった」ということもあります。

そういう場合は、秋ごろに梅雨入りの時期が修正されます。あくまで5~6月ごろに発表されるものは「速報値」であり、実際の梅雨入り時期は9月ごろの「確定値」で決まるのです。これは梅雨入りだけでなく、梅雨明けも同様です。
ちなみに、梅雨入りや梅雨明けは発表なしの場合があります。はっきりと雨の季節に入った/終わったと特定できないときは「発表なし」なのです。しかし、だからといってその場合は梅雨そのものが全くないわけではありません。あくまで特定できないだけです。ごくまれに梅雨入りが発表されていないのに梅雨明けは発表されたというケースもあります。

具体的には1963年の近畿地方と四国地方です。ついつい「梅雨入り」ときくと「あーあ、雨の季節に入っちゃった…」と思うものですが、その定義は思ったよりもあいまいなのですね。さて、今年の梅雨入りはどの時期になるのでしょうか。

今井明子
サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。
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