こんにちは、昆虫写真家の村松です。
昆虫の写真を撮ったり、Webでいろんな昆虫を紹介するムシミルの運営をしたりしています。ムシミルで検索してみてください。
今回はコオイムシという、水中で生活している昆虫を紹介します。

コオイムシは基本的に水中で生活する水生昆虫です。
酸素は空気中から取り込むので、おしりの先をいつも水面に出しています。
タイコウチやミズカマキリなどのように、長い呼吸管を持たないので比較的浅いところに住んでいます。ずっと水中にいると溺れてしまうんですね。
その雰囲気はタガメを小さくしたような印象ですが、おとなになっても2cm程度なのでタガメの迫力には及びません。
しかし、コオイムシは面白い習性を持っていて魅力的な昆虫です。
コオイムシとは「子負虫」と書き、子どもを背負っているという意味です。
実際に背負っているのは卵なんですが、その様子が他の昆虫ではなかなか見られない生態なのです。

そして、卵を背中に背負っているのはオスです。
メスがオスの背中に卵をキレイに並べて産んでいくんですね。
卵が孵化(ふか)するまで、お父さんが守ってくれているわけです。
お父さんと書きましたが、交尾相手の卵とは限らないのが生き物の世界の深いところですが・・・。
大事に守られた卵からは小さな赤ちゃんが出てきます。

たくさんの卵の中から一匹の赤ちゃんが顔を出しました。
卵はカプセルのようになっていて、パカッと割れたところから一生懸命に出てきます。
他の卵もよく見れば目のようなものが見えています。
みんなもうすぐ出てくるところなんですね。

卵から抜け出した幼虫は、水の中に入るとすぐに泳ぎだします。
この時の幼虫は透けていてとても綺麗です。
時間が経つと大人と同じような茶色っぽい色に変わっていきます。
コオイムシはタガメと同じような肉食です。
前脚はカマのように発達していて、水中に住む他の生き物を捕まえて食べています。

たくさん食べて、脱皮を繰り返しながら成長していきます。
脱皮するたびに倍の大きさくらいに大きくなっていくのでびっくりしたものです。
自然の中ではあちこちの田んぼやため池などでも見ることができた昆虫ですが、今ではタガメなどと同じように見られる場所が減ってきています。
住んでいる場所を見つけたら、そんな場所のことも大事に守っていきたいものですね。
写真:村松佳優

村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
暦生活のお店
-
暦生活 季節飾りのおりがみ
935円(税85円) -
書籍「まいにち暦生活 日本の暮らしを楽しむ365のコツ」
1,650円(税150円) -
書籍「365日にっぽんのいろ図鑑」
2,530円(税230円) -
みんなの写真で作るひとこと箋「空めくり」
1,320円(税120円) -
暦生活 宙の刺しゅうキット-オリオン座-
2,090円(税190円) -
暦生活 宙の刺しゅうキット -ペガスス座-
2,090円(税190円) -
暦生活 宙の刺しゅうキット -おおぐま座-
2,090円(税190円) -
宙の刺しゅう【 春夏セット / 秋冬セット (刺しゅう枠付き)】
4,180円(税380円) -
暦生活 季節を楽しむ3年日記
3,850円(税350円) -
[夏]暦生活 ダイアリーシール
275円(税25円) -
【おまけつき】季節を楽しむ3年日記+ダイアリーシール4種セット
4,950円(税450円) -
にっぽんのいろ 空のいろインクセット
3,190円(税290円) -
【2023年】朝の日めくり(4月始まり)
1,540円(税140円) -
[春]暦生活 ダイアリーシール
275円(税25円) -
[秋]暦生活 ダイアリーシール
275円(税25円)