カランカランッ。
氷が入ったグラスに飲み物を注ぐと、涼やかな音が響き渡る。
ぐびぐびっと飲み干すと、ほてった身体が冷たい心地よさで覆われる。
今日のテーマ「麦茶」は、日本の夏の定番ドリンクのひとつ。
焙煎した大麦を煎じたお茶のことをいい、汗をかくと不足しがちなミネラルがたっぷり含まれているので、これからの季節に欠かせない飲み物です。

さらに、ノンカロリーでノンカフェイン。強い利尿作用もないので、日常的な水分補給にぴったり。最近では夏以外の季節でも麦茶を買えるようになり、オールシーズンたのしめる飲み物として私たちの生活にすっかり定着しています。
(ただし、製品によってはまれに緑茶や烏龍茶などを混ぜているものもあり、作用が異なる場合があります)

日本の麦茶の歴史は緑茶よりも古く、原料の大麦は縄文時代末期に日本へ伝わったといわれています。平安時代には貴族たちが大麦を煎って粉にした「はったい」を湯水に溶かして飲み、戦国時代には武将たちが飲むようになりました。

江戸時代には「麦湯(麦茶)」が庶民の飲み物として親しまれるようになりました。
縁日には「麦湯」のお店が出現したり、現代の喫茶店のような「麦湯店」が誕生したりと大繁盛したのだそう。さらに当時の人たちにとって、麦湯は緑茶よりもお手頃だったこともあり定着したのだとか。昔の人たちが、麦湯を片手におしゃべりをたのしむ様子が目に浮かぶようですね。

そうそう、麦茶といえば、個人的に忘れられない思い出があります
「麦茶、飲む?」
これは、なにかと私の母親の口癖でした。
「飲む飲む!」と答えれば、たっぷりの麦茶が入った2リットルのペットボトルが食卓に用意される。しかし家族が多かったので、1本なんてあっという間に空っぽになってしまう。常に枯らさないよう、ほぼ毎日2つのやかんがフル稼働していたのを記憶しています。
また、ペットボトルは再利用したものでした。
本来ならお茶専用のボトルを使う人が多いのですが、我が家ではたくさん必要になるのでお手軽なペットボトルを使っていたのだそう。ただ厄介なことに母親は、ジュースが入っていたものを再利用していて、ラベルがそのまま貼られて残っていたので、我が家にきた友だちは「え?ジュースのボトルに麦茶?!」とよく混乱していました。

それから大人になっても麦茶を飲むたびに「やかんのフル稼働」や「ペットボトル」の光景を思い出します。あそこには、母親なりの工夫が詰まっていたのかなぁ..と。
今年も熱中症に気をつけながら麦茶をたくさん飲みたいなぁと思います。

高根恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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