こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。
秋の訪れとともに、木々が葉を色とりどりに染めてゆく姿は、なんとも美しいものです。
そして、人々の暮らしと身近な場所に存在する樹木で紅葉が美しいものと言えば、イチョウが挙げられるのではないでしょうか。
特に、街中に道を挟んで左右に植えられたイチョウ並木の様子は、秋も深まると空と地面を一斉に黄金色に染め、美しい自然のトンネルとなって圧巻の光景を見せてくれます。

山の紅葉といえば、赤や黄や橙に、ところどころの緑や茶色。まるで錦の織物のように鮮やかな様が見られますが、対するイチョウ並木の魅力を挙げるなら、やはり葉の色がそろって、一斉に染まってゆくところでしょうか。

等間隔に整然と並んだ幹の一つひとつが、精一杯枝を広げ黄色に輝く葉が空を覆い尽くす頃、私たちはしみじみと「秋」を五感で感じることができる気がします。
目からはもちろんですが、イチョウ並木を歩く足元からは、カサコソと乾いた葉っぱが鳴らす音や、靴の裏側に伝わる落葉の感触が楽しいものです。

そして、イチョウ並木で無視できないのは銀杏(ぎんなん)の存在。
独特の香りが鼻を突きますが、これも「あ、今年もこの季節が来たかぁ」と実感できてなんだか憎めません。
うっかり踏んでしまわないように……と気をつけながら歩くのも、ちょっと面白おかしく秋を楽しむ、ゲームのようにも思えてきます。
そういえば、銀杏といえば香りはなんとも刺激的ですが、その滋味深い味はまさしく「秋の味覚」と言えるかもしれません。
茶碗蒸しに入っているとちょっと嬉しくなるし、塩を振られた銀杏をつまむのも、そのほんのりとした苦みがたまりません。

そう考えるとイチョウはまさしく、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚――人間の五感すべてで秋を感じることができるのですね。
そんな樹木は、実はなかなか無いものです。
イチョウの花言葉を調べてみると、「長寿、荘厳、鎮魂」となっていました。
確かに、イチョウの木は他の樹木に比べても丈夫で大きく育ち、長生きだと言われています。日本の各地にも、有名な「大銀杏」があったり、神社の御神木として参道に並んでいたりすることも少なくありません。
長い歴史の中で、イチョウの木は多くの日本人に愛され大切に守られてきたのでしょう。

皆さんの暮らす場所の近くには、イチョウ並木がありますか?
その下を歩くときには、五感を目いっぱい働かせながら、秋を感じてみてくださいね。
もちろん、せっかくなので味覚の楽しみも、どこかで美味しく味わうことができますように。


紺野うみ
巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。
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