くわい

旬のもの 2023.12.09

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こんにちは。
今日のお話は「くわい」です。

丸い塊茎(かいけい)の先に長い芽がでている姿から「芽(目)が出る」、「めでたい」縁起物とされ、お節料理に欠かせない野菜です。

名前の由来は、くわいの葉が土の掘り起こしに用いられる農耕具の鍬(くわ)の形と、くわいが芋のような形をしていることから「くわいも」から「くわい」に転化した説があります。

オモガタ科オモガタ属の水性多年草で、「青くわい」、「白くわい」、「吹田くわい」の種類があります。
今日はその中でも、日本で一般的に流通している「青くわい」をご紹介します。

広島県福山市と埼玉県さいたま市、草加市で国内9割の生産量を占めており、他では石川県金沢市、羽咋(はくい)市があります。

栽培の歴史が古いのは、京都府京都市の「京くわい」です。

天正19年(1591年)豊臣秀吉の命により築造された御土居(おどい)と関わりがあります。御土居は、京の都を外敵の襲来に備える防塁のためや、鴨川の氾濫から守る堤防のために築かれました。その際、多くの土が必要だったため、京都周辺の土が掘られました。その跡地が低湿地となり、染料の藍の栽培の裏作として、「京くわい」の栽培が行われるようになりました。

昭和初期頃には、京都府京都市は埼玉県についで2番目の生産地でしたが、激減していき、南区の上鳥羽、伏見区竹田のみになっていきました。

8年前に「京くわい」を仕入れたことがありますが、凛としていて品があり、艶やかな色で輝きを放っていました。

写真提供:川口屋薫

「京くわい」を含む「青くわい」は名前の通り、皮の色は青藍色や青銅色をしており「田んぼのサファイア」とも呼ばれています。

私は小さい頃は、独特のほろ苦さが苦手でしたが、大人になると、それがたまらない好みの味になりました。

市場で働いていた頃は、主に広島県福山産を扱っていたのですが、縁起物の象徴である芽を折らないように慎重に梱包していたのが、懐しい思い出です。

最後にスーパーなどのお店で見かける小粒サイズの「くわい」の簡単な食べ方をご紹介します。

素揚げして軽く塩を振るだけです。

揚げる時間の目安は160℃で約6分から8分です。

揚げることにより、独特のほろ苦さが和らぎ、ホクホクして甘い味わいです。皮付きのままは強い風味になり、皮を剥くと食べやすい優しい風味になります。

写真提供:川口屋薫

また素揚げは、里芋の煮っころがしのようにしたり、カレースパイスにしたり、色々な味付けで楽しめます。

「くわい」の旬は1月頃までですので、お正月料理以外にも季節感を演出する野菜として、よかったら使ってみてください。

写真提供:川口屋薫
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川口屋薫

料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁

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