やつで

旬のもの 2023.12.11

この記事を
シェアする
  • twitter
  • facebook
  • B!
  • LINE

こんにちは。暦生活編集部です。
今日は「やつで」のお話です。

大きくて厚みがある、ツヤツヤの緑色の葉っぱ。
遠くから見ても存在感があり、まるで手のひらを広げたような特徴的なかたちをしています。

やつでは、古くから日本で親しまれてきた常緑樹です。7つから9つに分かれた葉先を、「末広がり」として縁起のいい「8」と数えて「八手(やつで)」という名前がつけられたそうです。

一度見たら忘れられない印象的なやつでの葉。別名「天狗の羽団扇」(てんぐのはうちわ)といい、厄除にもちいられることも。たしかに、私が思い浮かべる天狗もやつでの葉のような団扇を持っているような…。

調べてみると、天狗が持っている団扇はやつでの葉そのものではないようですが、この別名を知ってからというもの、やつでは私のなかで神秘に満ちた、不思議な魅力を持った植物になりました。

どちらかというと葉が有名なやつでですが、初冬には小さな白い花が玉のように群れ咲きます。花の少ない時期に咲くので、花蜂や花虻がよく訪れます。

葉と比べると控えめな印象の花ですが、集まるとまるで雪がチラついたかのような雰囲気があります。さらに虫たちもブンブンと羽を広げて寄ってくるので、初冬のやつでは賑やかです。ちなみに、「八手の花」は初冬の季語。

やつでは昔から魔を払う縁起のいい植物とされ、玄関先にやつでを植えると厄除けになると信じられてきました。また、風にゆられると大きな手のような葉が招いているように見えることから、商売を営む家には特に好まれていたようです。

常緑樹でいつも青々とした葉を見せてくれることで、気持ちを明るくしてくれることもあったと思います。

やつでの葉は生薬にもなり、ヤツデサポニンという成分が虫除けの効果を持つことから殺虫剤としても利用されています。

昔から、人の暮らしを陰ながら支えてくれているやつで。
今度見かけたら、今までより親しみを持って接することができそうです。

この記事をシェアする
  • twitter
  • facebook
  • B!
  • LINE

暦生活編集部

日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。

  • instagram
  • facebook
  • note

暦生活

関連する記事

カテゴリ