雪景色

旬のもの 2024.01.09

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こんにちは。気象予報士の今井明子です。
冬本番です。冬といえば雪の季節。この時期は、普段なかなか雪の降らない太平洋側でも、雪が積もることがありますよね。

ひとたび雪が積もると、あたり一面が真っ白になるだけではありません。雪が積もると、それまで直線的だった物の輪郭がなだらかな曲線を描くようになり、丸っこくてかわいらしい形になります。このような形になるのは、雪に粘り気があるからです。特に湿気の多いボタン雪は、粘り気も多いのです。

川の中の飛び石や、電信柱の上に積もったまるで帽子のような見た目の雪は「冠雪(かんせつ)」と呼ばれます。見た目はかわいいものの、電信柱などのてっぺんに積もった冠雪が突如崩れて頭上に落ちてくると、ケガをするので要注意です。

屋根に雪が積もると、その雪が次第に滑り落ちてべろーんと垂れ下がります。これは「雪庇(せっぴ)」といい、見ているだけなら面白いのですが、頭上に落ちると非常に危険。また、屋根の上で雪下ろしをしているときは、屋根だと思って雪庇を踏み抜き、落下事故につながることもあります。

電線や柵などに積もった細長い雪がずるりと垂れ下がってくることもあります。こちらは「雪ひも」と呼ばれます。ときには蛇のようならせん状になっていることもあります。冠雪も雪庇も雪ひもも、雪の持つ粘り気のなせるわざ。いやはや、見飽きませんね。

寒い場所だと、軒先につららを見かけることもあるでしょう。こちらは、暖かい部屋の空気によって屋根の雪が溶けて水になり、軒先から落ちるときに夜の寒気で再び凍ったもの。昔、雪国の民宿に泊まったときに窓を開けたら目の前に50cm以上成長した立派なつららがあったのでボキッと折ってみたのですが、直径が5cmほどあり、片手の手のひらからあふれそうでした。ミステリー小説などで、つららを凶器に使うエピソードが登場するのにも納得したものです。

さらに、スキー場の斜面や開けた場所などで、ドーナツやロールケーキのような形の雪がみられることもあります。これは「雪まくり」といいます。木の枝から落ちた雪などが斜面を転がったり、強い風で雪がまくり上げられたりして、自然の力でくるくると回転してできます。そのとき、地面にある雪をくっつけて大きくなっていくのです。人の手で雪玉を転がすと球形になりますが、雪まくりはタイヤのような形だったり、円筒形だったりします。大きく成長したものを見つけるとかなりラッキーな気分になれます。

このように、普段とは違った面白いものがたくさん見られる雪景色。大人になると、雪は厄介だなあと思うことも多くなりますが、それでも雪景色ってワクワクします。でも、そんなのんきなことを言えるのは、きっと私が雪国育ちではないからなのかもしれませんね。

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今井明子

サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。

今井明子公式ホームページ

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