可愛い和菓子はすてきな器にのせたくなる
ひとりで和菓子を楽しむ時にもお客様にお出しする時にも、重要な役目を担っているのが器です。
和菓子の見た目や季節に合わせてお皿を選んであげると、よりいっそう和菓子を美味しく楽しむことができます。

和菓子とうつわ
和菓子をのせる時によく選ばれるのが、豆皿などの小さなお皿。このようなお皿は「銘々皿(めいめいざら)」と呼ばれます。

「銘々」とは「ひとりひとりの」という意味。つまり銘々皿はひとりひとりに取り分けるためのお皿を指します。
お菓子だけでなく料理を取り分ける際にも用いられ、無地のものやきれいな柄の入ったもの、素材やサイズも様々です。

小さなサイズの銘々皿は、和菓子を一つずつのせるのにぴったり。
大きめのお皿だと、和菓子をいくつか盛り付けたり、湯飲みやカップなどを載せてプレートのように使うこともできます。
きな粉や黒蜜をかけて盛り付ける時にも、大きなお皿や深めのお皿があると便利です。
小さな器の下に大きな器を組み合わせたり布を敷くことで、色合わせを楽しむこともできます。
うつわの素材
素材にも陶磁器、木製、漆、ガラスに錫(すず)など様々な種類があります。
同じ和菓子であっても、のせる器の素材が違うだけでがらりと印象も変わります。
私たちが使っているものの多くは陶磁器と呼ばれ、土を焼いたものが陶器、砕いた石を焼いたものが磁器にあたります。
陶器はぽってりと分厚く、あたたかみのある土の素材感が特徴といえます。磁器はガラス質を含む石を使用しているため素地は白く、陶器に比べると薄くて丈夫です。
どちらも色や絵付けされた模様を楽しむことができ、季節に合わせた文様が描かれている器も珍しくありません。
素朴な和菓子も、彩りのある器を使うことでパッと目を引くようになります。

日本ならではの漆塗りの器は、美しい光沢やしっとりとした肌合いが魅力。高級感のある漆器に和菓子をのせると、背筋もしゃんと伸びる気がします。
普段使いにも、本格的にお茶をたてて和菓子といただく時にもおすすめです。
木製のものはあたたかみがあり、カジュアルに和菓子を楽しみたい時にぴったりです。
こちらの木皿は栗の木でできていて、ひとつずつ木目が違い表面がぼこぼことしているのも味わい深いですよね。

暑い夏には涼やかなガラスの器を使ったり、いつもと雰囲気を変えたい時にはモダンな錫の器を使ったりと、気分や季節に合わせて素材を変えるのも素敵な楽しみ方です。
うつわの見た目
白い器はどんな和菓子とも相性抜群!例えばこちらの赤と黄色の鮮やかな和菓子には、色を引き立ててくれるような白いお皿を使います。

ただ、白い和菓子をのせる時に白いお皿だと全体の印象が弱くなってしまうこともあります。そんなときは濃い色のお皿や柄の入ったものを。
特に黒のお皿はおとなしい色味も引き立ててくれるので、ひとつ持っておくと便利です。
遊び心のある変わった形のお皿も、変化をつけられるのでおすすめです。
こちらのお皿はイチョウの形をしています。

古くから、葉は食器がわりに食べ物を載せて使われていたこともあり、葉の形をした器はしっくりと馴染みます。
松茸や柿、枝豆の形をしたすはまを載せてみると、まるで森の中で拾ってきたみたいに可愛いらしくまとまりました。
小さなお皿なら、素材やデザインなど手持ちのものとの相性にこだわらず自由に選べます。
たくさんあっても困らないので、変わった柄にも挑戦してみたいところです。
ぜひうつわ屋さんをのぞいてみてはいかがでしょうか?
今回撮影に使用した器は全て、京都の「ギャラリーにしかわ」さんに取り扱いがございます。
https://gallerynishikawa.stores.jp
今回ご紹介したお皿と合わせた和菓子は「暦生活のお店」で販売中ですので、ぜひご賞味ください!

和菓子ばこ 秋のおくりもの
お月見や秋の味覚をモチーフにした、秋らしい和菓子のセットです。 「月のあかり」「月のうさぎ」「照り葉」「お月くんまんじゅう 栗名月」「秋の実り」「亥の子餅(いのこもち)」の6種類。
和菓子を作ってくださったのは、前回に引き続き京都祇園の老舗和菓子屋「かぎ甚」さん。 創業100年という歴史あるお店です。
2,580円(税抜・送料別)


暦生活編集部
日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。