太陽たいよう

月と星 2021.01.19

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こんにちは。星空案内人の木原です。

新しい1年が始まりましたね。今年はどんな1年になるのかな、と思いながら宙を見上げると、冬の星座たちが賑やかに輝いている姿を見ることが出来ます。

年を重ねても、毎年同じように変わらず宙にあり続けてくれる星たちは、新年を迎えてそわそわしている心の拠り所のような存在です。

ところで皆さんは、初日の出を見に行かれましたか?

毎年1月1日は1年で一番多くの人が宙を眺める日だと思っています。1年の始まりを告げるように昇ってくる太陽を見るために、全国各地で多くの人が宙を見つめているのではないでしょうか。

初日の出を見ることは立派な天体観察のひとつ。普段の暮らしでは、太陽を“星”として意識することはないと思いますが、太陽も星座を形作る星たちと同じ“恒星”と呼ばれる天体です。

冬の時期は太陽の暖かさがとても嬉しいですよね。寒くて震える体に太陽の光が当たると、人工の暖房器具では味わえない、心まで和らぐような温もりを感じます。その太陽の熱のエネルギー源となっているのが、太陽内部で起きている核融合反応です。

太陽にある大量の水素によって核融合反応が起き、エネルギーが放出され、私たちの住む地球に光や熱として届いているのです。

ずっと昔から地球に光や熱を届けてくれている太陽は、私たち人類にとって大切な存在でした。

日本では、太陽を司る神様とされる天照大御神が神々の中でも最も尊い神様と言われています。

当時の人々の信仰に深く関わっていた太陽は、国政を占うときにも重要視されました。例えば、日食は不吉な災いが起こる兆候とされ、日食中の太陽の光を浴びないように外出しなかった、日食が原因で改元した、という話が残っているほどです。

地球や人類にとって大きな恩恵を与えてくれる太陽ですが、その存在は永遠ではありません。太陽の光り輝くエネルギー源である水素が太陽の中に無限にあるわけではないからです。

簡単に言えば、太陽は自分の身を削りながらエネルギーを出して光り輝いています。身を削っていくうちに体のバランスを崩してしまい、火星の軌道あたりまで膨張し、最終的には放出されたガスと輝きを失った暗くて小さな星が残るだけと考えられています。

なんだか寂しい太陽の一生の終わり方だと感じてしまいますが、そんなことを太陽は気にも留めず、今日も変わらず精一杯エネルギーを出し続け、地球に暖かい光を届けてくれています。

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木原美智子

星空案内人
広島県出身。瀬戸内の宙を見て育ちました。好きな季節は、コスモスが咲き、凜とした空気が漂う秋。宙を見上げるのが好きなので、星だけじゃなく宙にあるもの、宙に関わる文化に興味があります。ペンギンと野球も好き。

そらと

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