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アンドロメダ銀河

月と星 2020.11.01

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こんにちは。星空案内人の木原です。

日中のすっきりとした空気が、朝晩には体の奥までひんやりと感じさせる季節になりました。ついつい“まだ秋だから”と油断してしまいそうですが、暦の上ではそろそろ冬。夜の星空観賞をするときは冬と同じように暖かい服装がおすすめです。ぬくぬくと毛布のような防寒着に包まれながら秋の星空をぼんやり眺めていると、淡く光る雲のようなものを宙の高いところで見つけることができます。その正体はアンドロメダ銀河。私たちが住む天の川銀河から一番近い銀河です。

銀河は、星の大集団。宇宙空間には無数の銀河が存在しています。その中でもアンドロメダ銀河は私たちが住む地球から俯瞰して見ることが出来る最も近い銀河です。郊外の星が良く見えるところはもちろん、街中でも双眼鏡を使えば見ることができます。アンドロメダ銀河の見た目の大きさは、満月を横に5~6個並べたときと同じくらい。とても大きく見える天体のため、高い倍率の天体望遠鏡で見るよりも肉眼や低倍率の双眼鏡で観察するほうが、銀河らしい形が分かって面白いです。

アンドロメダ銀河が“銀河”だと分かったのは、ほんの100年ほど前のことです。それまでは、天の川銀河内にある星雲だと考えられていました。アメリカの天文学者ハッブルによって星雲ではなく銀河であることが分かったのです。それをきっかけに、宇宙には様々な形の銀河があること、そして宇宙は膨張していることが発見されました。宇宙は膨張し続けているという発見は今の宇宙論の基礎となり、その理論のもとで私たちが暮らす“宇宙”の解明が続けられています。

アンドロメダ銀河

アンドロメダ銀河にも地球のような星があって生き物が暮らしていたら、宙に輝く天の川銀河を見ているでしょう。天の川銀河のことを調べて、銀河のこと、宇宙のことについて同じように研究しているかもしれません。天の川銀河とアンドロメダ銀河はお互いの重力によって引き寄せ合っていて、約30億年後には衝突するといわれています。そんな遠い未来でも私たち地球人が生きていたら、アンドロメダ銀河に住む異星人と交流できる日がやってくるかも。その時は、地球人が俯瞰して見ることのできない天の川銀河の姿を教えてほしいな、と思います。

科学が進歩した現在でも、人類が解明できない宇宙の謎はたくさんあります。異星人と交流できる未来が訪れたときは、競うのではなく手を取り合って宇宙探査を進めてほしいと願います。

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木原美智子

星空案内人
広島県出身。瀬戸内の宙を見て育ちました。好きな季節は、コスモスが咲き、凜とした空気が漂う秋。宙を見上げるのが好きなので、星だけじゃなく宙にあるもの、宙に関わる文化に興味があります。ペンギンと野球も好き。

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