弓張月
上弦の月は新月から数えて7〜8日頃。上り月の半月のことで、ちょうど弓を張ったように見えることから「弓張月(ゆみはりづき)」、「弦月(げんげつ)」ともいいます。
弓張月の淡い光の中で見たあの人の優美な姿が忘れられない、と西行は詠んでいます。
一般的によく使われる言葉は半月ですが、月暦を使わないなった現代は上弦なのか下弦なのかがわからない人が多いためかと思います。
そこで今回は上弦、下弦の月の簡単な見分け方をお伝えします。
昼の月
新月は太陽と一緒に回っているので見えませんが、月の出は一日約50分ほどずれていきますので、上弦の月は昼頃、東の空に上ってきます。そして午後になると、東の空に「昼の月」として見えてきます。
昼の月がみえるのは水蒸気や塵が少なく大気が澄んだ、濃い青空のときに限られますが、このときの月の向きは、蓋をするような逆さの月です。
午後、東の空に逆さに見えている昼の月。夕方には南中して、ちょうど弓がまっすぐ立っているような形になり、夜になると舟のように寝て、西の空に沈んでいく月。これが上弦の月です。
昼の月の簡単な見分け方は、時間帯の違いです。午後に見えるのが上弦の月、午前にみえるのが下弦の月です。少しふくらんでいたり、削れていたり、上弦、下弦の前後の月もみえますが、日没後に上がってくる満月が昼間に見えることはありません。
水色の空に浮かぶ白い月は淡く、儚く、夜の月よりも、この地球に住んでいることをふと思い出させてくれるような気がします。
文責・高月美樹