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第7回|メーデーとかけメイポールと解く、その心は「つりあげ」

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メーデー、5月1日の祭典

5月1日はメーデーです。メーデーは1886年のシカゴでの大ストライキに端を発しています。メーデー(May Day)は5月の日を意味し、ヨーロッパでは農事暦の祭日でした。それが労働者のための祝日として、多くの国で採用されるようになったのです。日本では国民の祝日ではありませんが、この日に労働組合は盛大なデモを繰り広げてきました。もっとも最近では、ゴールデン・ウイークに配慮して、開催日時を連休前に繰り上げています。

5月1日はメーデー

ドイツのメーデー

目下滞在中のドイツでもメーデーは祝日です。観光客相手のお店やレストランはあいていましたが、レンタカーの窓口までも休みなので、予約に往生しました。ドイツでは、ことに南東部のバイエルン地方では、メーデーはメイポール(ドイツ語ではマイバウムという五月柱)を立てる行事の日でもあります。前日にマイバウムを立て、伝統の衣装で夜通し踊るのが伝統のようです。旅先の村や町の広場には、常設のメイポールが立っていました。ミュンヘン中心街の青空市場には高さ4、50メートルはあるかとおもわれるマイバウムがそびえたっていました。3、4年ごとに建て替えるのだそうです。

マインツでのマイバウム立て

ラッキーなことに、今回、ライン川沿いの町マインツでマイバウム立てを見ることができました。マインツは中西部の中心都市のひとつであり、バイエルン地方の人たちも移住してきています。かれらは故郷を懐かしみ、地方人会のような任意団体をつくり、町はずれに会館を建てました。マイバウムの行事は広場ではなく、その会館の敷地内でおこなわれていました。また4月30日の夜ではなく、5月1日の昼間でした。役どころの人たちは男性も女性も民俗衣装を着かざり、参加者はビールのジョッキを傾けながら民俗料理を楽しんでいました。マイバウムの高さは20メートルほどで、先端には電球付の十字架がつけられました。それを小型のクレーン車が吊り上げ、土台を青年たちが斧やスパナで固定していました。

マイバウムの起源

マイバウムの先端に十字架がつくのは新しい習俗かと思われます。本来は、木の先端の枝や葉であったはずで、その伝統を守っているところもあります。マイバウムやメイポールはキリスト教以前のゲルマン民族の習俗であり、本格的な農作業がはじまる、夏の訪れを告げる行事でした。クリスマスツリーも実はキリストの誕生とは関係のないヨーロッパ北部の冬至の祭に起源をもっているようです。

世界の木柱建て

マイバウムとクリスマスツリー、両者の木柱建ては、季節を画する行事としてどこかでつながっているようです。連想をさらにたくましくすると、6年ごとにおこなわれる諏訪大社の御柱(おんばしら)もユーラシア大陸にまたがる「柱立て」の東端の行事とみることはできないでしょうか。妄想に近い仮説かもしれませんが。

ドイツのマイバウム
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中牧弘允

文化人類学者・日本カレンダー暦文化振興協会理事長
長野県出身、大阪府在住。北信濃の雪国育ちですが、熱帯アマゾンも経験し、いまは寒からず、暑からずの季節が好きと言えば好きです。宗教人類学、経営人類学、ブラジル研究、カレンダー研究などに従事し、現在は吹田市立博物館の特別館長をしています。著書に『カレンダーから世界を見る』(白水社)、『世界をよみとく「暦」の不思議』(イースト・プレス)、『こよみの学校』全5巻(つくばね舎)、編書に『世界の暦文化事典』(丸善出版)など多数。

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