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釣瓶落としつるべおとし

季語 2021.10.26

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こんにちは。気象予報士の今井明子です。
すっかり秋本番。さわやかな陽気のもと、公園など外で過ごすと心地よい季節です。
しかし、同じ行楽シーズンでも、春と秋では大きな違いがあります。それは、昼間の長さです。

皆さんは「秋の日は釣瓶落とし」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
釣瓶とは、井戸で水をくむときに使う、縄を取りつけた桶のこと。今ではなかなかお目にかかれませんが、時代劇で目にすることはありますよね。
井戸の水をくむとき、この釣瓶を滑車にかけ、井戸の底に向かって落とします。そして、底にたまっている井戸水を汲み、縄で上まで引っ張り上げるのです。

秋の太陽は、この釣瓶が井戸の底まで落ちていくようにあっという間に沈んでしまうということで「秋の日は釣瓶落とし」ということわざが生まれたのでしょう。

ちょうど10月下旬は、東京都だと南中時刻が11時25分頃、日の入りの時刻が16時50分頃となります。南中から約5時間半程度で太陽が沈んでしまいます。
これに対し、夏至の頃は東京都の場合は南中時刻が11時45分頃で日の入りの時刻が19時頃となります。つまり、南中から7時間15分程度で太陽が沈むということです。
こうして比べてみると、夏至とこの時期とで2時間ほど午後の長さが違ってきます。

確かにもう、この頃は1日で一番気温が高いはずの14時くらいになると日が陰ってきて「そろそろ夕方かな」と思わせるような印象を受けます。実際に太陽高度を調べてみると、2021年6月21日(夏至)の東京の14時の太陽高度は約58°、2021年10月26日の東京の同時刻の太陽高度は約30°でした。これなら「釣瓶落とし」ということわざができるのも納得です。

日暮れが日ごとに早くなっていくからでしょうか。気温や湿度は春とさほど変わらないのに、秋はなんとなくさみしい気持ちになります。季節は徐々に冬に近づいているんですね。

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今井明子

サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。

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