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二十四節気の味わい暦|寒露かんろ

二十四節気と七十二候 2026.10.08

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◎寒露 10月8~22日

盛り蕎麦 ざる蕎麦 おかめ蕎麦 天ぷら蕎麦 蕎麦がき 蕎麦寿司

新そば

じわりと秋の深まりを感じるころとなりました。秋の草に宿る冷たい露、それが寒露です。収穫の秋を迎え、稲刈りの終わった田んぼには、稲架掛けの稲穂が見られます。空も高く、深く青く、次第に空気が澄んできたことを実感するころ。

蕎麦の実の収穫も進んで、お蕎麦屋さんの店先には「新蕎麦」の文字も見られます。その文字につられるように入店して、まずは盛り蕎麦をいただきましょうか。新蕎麦のいい香りにうっとりです。

近所では、秋口になるとソバ畑が真っ白に花盛りとなり、ああ、この花がおいしいお蕎麦になるのねえ、といつも感慨深く眺めます。白い花が徐々に渋い色に変わり、ひとつも白い花が見えなくなったころ、もうソバは実を結んでいるのでしょう。

ソバは生育のスピードが極めて速い作物です。夏前に麦を刈り取った畑にソバの種が蒔かれ、8月の頭にはチョロチョロと本葉を開き始めたと思うと、もう9月には白い花を咲かせています。そばを刈り取ったあとは、また麦を蒔く準備が始まるのです。学校で習った「二毛作」ですね。一年の間に、同じ畑に2種類の作物を育てて収穫する農法。

荒地でも元気に育ち、しかも速く収穫出来る。救荒作物としても頼れるソバなのです。しかもおいしくて飽きないお蕎麦。いま蕎麦というと麺になっているものをいいますが、麺になった蕎麦はかつては贅沢品でした。蕎麦がきとは区別して「蕎麦切り」といったそうです。

西欧でも蕎麦粉は広く食されていて、パンケーキやスープの実としても使われているそう。蕎麦好きは、日本人だけではないのですね。

頼んだ盛り蕎麦は一気に一枚いっちゃいました。さて、それではせいろをもう一枚頼みますか。

文・イラスト 平野恵理子

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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