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お日柄おひがら

暦とならわし 2024.03.13

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

「本日はお日柄も良く……」と始まるこの挨拶、皆様は何かの折に使ったり、耳にしたりしたことがありますでしょうか。
日本人にとっては、幾分お馴染みのフレーズかもしれませんが、実はこの「お日柄」はお天気の良し悪しのことだけではないのです。

日本には、暦に関して古くから今に伝えられてきた言葉がたくさんありますが、その中でも「六曜(ろくよう)・六輝(ろっき)」というものがあります。
「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」――。
これは、今でもカレンダーや手帳などに記載されていることが多いので、私たちにとっても比較的身近な言葉なのではないでしょうか。

これらは、暦の上での吉凶を占うもので、その日に行う物事の向き不向きや、時間帯における良し悪しを示しています。
たとえば結婚式や法事、神社における安産祈願や初宮詣といったご祈祷など、人生において重要な物事を行う日取りを決める際に、その良し悪しを占うため生まれた言葉を言います。

「結婚式は仏滅を避けて大安に」「お葬式は友引を避けて」といったことは、それぞれの業界や世の中の常識においてかなり定着していますね。
私も巫女として神社でご奉仕しておりますと、ご祈祷のお申込みの際に「この日は大安なので……」といったお話をいただくことがあります。

「大安」や「仏滅」などはなんとなく良し悪しも解りやすいものですが、それ以外は実のところ、あまり深く意味を理解していないという方も少なくないかもしれません。
今回は、この「お日柄」――「六曜」について、少しだけ詳しくお伝えしたいと思います。

【先勝】せんしょう・せんかち・さきかち/「先んずれば即ち勝つ」の意味。午前中が吉とされ、万事に急ぐことが良いと言われる。

【友引】ともびき・ゆういん/「凶事に友を引く」の意味。葬式を行うことを慎むようにと言われる。朝晩は吉で、正午は凶の日。

【先負】せんぷ・せんまけ・さきまけ/「先んずれば即ち負ける」の意味。午前は凶、午後は吉で、勝負事や急用は避けるようにと言われる。

【仏滅】ぶつめつ/「仏も滅するような大凶日」の意味。何事もうまくいきにくい日なので、特に祝い事は避けるよう言われる。

【大安】たいあん・だいあん/「大いに安し」の意味。何事も成功するとされる、最高の吉日。結婚式に最適と言われる。

【赤口】しゃっこう・せきぐち・しゃっく/陰陽道の凶日に由来している。午の刻(午前11時から午後1時)の間のみ吉で、朝夕に行う祝い事は凶と言われる。

この六曜については、もともと鎌倉時代の末頃に中国から曜日のようなものとして伝わり、江戸時代の終わり頃に現在のような吉凶を占うお日柄として流行したと言われています。

日頃は、こういった吉凶を特に気にしないという方も多いかもしれませんが、人生において幾度とないような「大切なこと」を行う日には、やはり少しでも吉日や良い時間を選びたい……という想いが、きっと誰にでもあるのではないでしょうか。
そんな切なる想いに応えるためにも、日本に伝わる「お日柄」は脈々と受け継がれてきたに違いありません。

お日柄を意識しすぎて、行動するのに二の足を踏んでばかりいたり、気に病んでしまったりすることはかえって良くないかもしれませんが、こういった占い事においては「少しでも良いお日柄を選べてよかった」と明るい気持ちになれることが大切なのではないでしょうか。

思い煩うことなく、気持ちよく「大切なこと」を成すためにも、心持ちを明るく前向きにしてくれる文化のひとつとして、ぜひ皆様の人生にも活かしてみてくださいね。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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