こんにちは。暦生活編集部です。
今日は七十二候の「温風至(あつかぜいたる)」についてのお話です。
紫陽花は静かにシーズンを終え、少しずつ梅雨明けが近づいているのを感じますね。
吹く風はどことなく熱を帯び、夏の訪れをさらに色濃く感じるようになりました。
七十二候も「温風至(あつかぜいたる)」に変わり、また新しい季節がやってきます。
毎年7月7日〜7月11日頃にやってくる短い季節で、読んで字のごとく、夏のあたたかい風が吹く頃です。

梅雨明けはその年によって違いますが、例年、6月下旬に沖縄、7月上〜中旬に九州、7月20日前後に本州、7月下旬に東北となります。梅雨が明けると、各地一気に夏らしくなっていきます。楽しみなような、ちょっと構えてしまうような…。
梅雨明け頃に吹く風を白南風(しろはえ)と呼びますが、「はえ」とは主に西日本で呼ばれる夏の南風のこと。夏の季語にもなっています。反対に、梅雨空の雲の下を吹き抜ける風は黒南風(くろはえ)と呼ばれます。それぞれ「白」「黒」と名付けられているのが面白いですね。

夏のお便りである暑中見舞いも、この頃の風習です。二十四節気の小暑(7/7頃)〜立秋(8/7頃)の前日までを目安に送り、その期間を過ぎてからは残暑見舞いとして送ります。
もうひとつ、夏のごあいさつといえばお中元。日頃の感謝を込めて品物を贈る風習です。
お中元選びは、あれこれ迷って少し疲れてしまいますよね。ちょっと苦手…という方も多いかもしれませんが、これも季節の楽しみ方のひとつ。

もともと中国では1月、7月、10月の15日を三元といい、上元、中元、下元と呼んでいました。特に7月の中元は日本でお盆と結びつき、お中元という風習ができました。最初はお盆に親しい知人や親戚をたずね、贈り物を手渡しするものでしたが、今ではお世話になった方へ感謝の気持ちを込めた品物を贈る習慣になっています。
食べ物を贈ることが多いようですが、ビールやコーヒー、タオルや日用品、カタログギフトなど、さまざまなものがあります。相手が好きなものを贈るのもいいですね。

今年は大変なことがいろいろあったから、贈られた方は余計に嬉しいのではないでしょうか。
本格的な夏がやってくる前に、思いやりの気持ちを贈り合えたらいいですね。

※七十二候(しちじゅうにこう)は、日本の1年を72等分し、季節それぞれのできごとをそのまま名前にした、約5日ごとに移ろう細やかな季節です。
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