そろそろ蓮の花が見頃を迎えます。
蓮は、東南アジア原産の水生植物。
沼地からスッと茎が伸びて花を咲かせ、大きいものだと人の背丈を超えるほどまでに成長します。午前中に花が咲き、午後には閉じてしまうので、観賞は早朝がおすすめ。朝の柔らかな光が透明感を際立たせ、より幻想的な世界をみせてくれます。
蓮の花といえば仏教とも深い関わりがあります。
泥水からきれいな花を咲かせることから、「困難から立ち上がる」「清らかさの象徴」とされ、仏像の台座にもなるほど神聖な花とされてきました。
そんな蓮と仏教を同時に堪能できるスポットが奈良県にあります。
それは「ロータスロード(正式名称は「奈良・西の京ロータスロード」)」です。
ロータスロードとは、とくに蓮の花がうつくしいことで有名な4つのお寺(西大寺、喜光寺、唐招提寺、薬師寺)を繋ぐ道のことをいいます。4つのお寺は奈良市西部「西ノ京」エリアに集まっており、見頃を迎える6〜8月には共通拝観券や特別の御朱印ももらえるので、毎年大勢の観光客で賑わいます。
数年前、私はなにも知らずに「唐招提寺」を訪れたことがありました。
当時はロータスロードのことも、蓮の花と仏教の結びつきのこともぼんやりとしか分かっていなかったので、境内に広がる空間に驚きました。
「神秘」という言葉がぴったりな、蓮の花。
じっと見ていると吸い込まれてしまいそうで、つぼみでさえもうつくしく、お堂の前でしっかりと根を張り佇んでいました。
大きな葉っぱも立派にひらいて、蓮の花を引き立てていました。
水をはじく姿や、葉脈がくっきり見える様子からは生命力の強さを感じます。
境内の奥へ進むと、苔も生い茂っていました。
くすみのない緑色のじゅうたんは、ジメジメした陽気を明るく照らしてくれるようでした。
お寺の静けさのなかで、風に吹かれてわさわさと揺れる蓮の花。
うつくしさとは、しなやかさとは。
この場所にずっといると、ひとり禅問答をしながら心が開かれていくような不思議な感覚になります。
ぜひみなさんのお近くでも、ロータスロードを探してみてください。
昔の人々が蓮の花に見つけた道筋は、きっと現代の私たちにも繋がっていることでしょう。
【参考文献】
高根恭子
うつわ屋 店主・ライター
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。
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