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便秘の原因と改善

旬のもの 2023.08.03

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毎日良いうんちが出ていますか?

正しい排便は、1日1回、スッキリと、固くも緩くもなく、バナナ状の便が出るのが理想です。何日も排便がない、1日でも排便が無いと不快、排便がスムーズでない・残便感があるなどは、「便秘」の状態と考えます。

女性に便秘の悩みが多いのは、男性と比べて筋力が弱く押し出す力が弱いことに加えて、育児や家事を性別で分けることはおかしいとはいわれて久しいですが、未だに女性は家事育児のウエートが大きく、そのおかげでタイミングを失ったり、妊娠や出産がきっかけになったりすることも少なくないからだと思われます。

中医学から見た便秘について考えていきましょう。

なお、カゼを引いたときなど、発熱にともなってたまに便秘になるというケースは今回含んでいません。

便秘のタイプを見分けよう

便秘には様々な原因がありますが、大きく分けて、不快感を伴う便秘とそうでない便秘があります。

不快感を伴う便秘は、実秘(じっぴ)と呼ばれます。実秘は、不要な物が蓄積した状態です。不要な物には、飲食に不摂生などの他、精神的なストレスも含まれます。実秘の便秘の特徴は、便秘による腹痛や腹満があり、糞便の停滞によるガスの発生、自律神経系の緊張による蠕動(ぜんどう)運動の異常などが原因で、身体自体は衰えていません。

不快感を伴わない便秘は、虚秘(きょひ)と呼ばれます。虚秘は、体に必要な気血水が足りない状態により排便に至らないものです。疲労や加齢による体内の乾燥、冷え性などがここに含まれます。虚秘は、排便させるエネルギーが不足している状態なので、腸管が弛緩してうまく流れていかない、腸内が乾燥して糞便が動きづらいといった病態で、体の機能が衰えた結果です。

便秘の原因は、生活習慣や加齢によるものが多く、食事や運動、睡眠など生活習慣の改善で良くなることが多いですが、病気が原因のこともあります。便秘が続く場合は、早めに医療機関を受診してください。

また、実秘、虚秘は、それぞれの要因から、実秘は、腸胃積熱(ちょういせきねつ)、湿熱困脾(しつねつこんぴ)、肝鬱気滞(かんうつきたい)の3タイプに、虚秘は、気虚不運(ききょふうん)、陽虚寒凝(ようきょかんぎょう)、陰血不足(いんけつふそく)、気陰不足(きいんふそく)の4タイプに分けられます。

腹痛や腹満を伴う実秘の特徴と対策

腸胃積熱・・・数日間の便秘、便が硬い、腹満、腹痛、ガスが多い・臭うなどの他、口臭、喉の渇き、冷たい飲み物を欲する、尿が濃い、黄色く乾燥した舌苔などが見られます。

改善策:辛いもの、味の濃いもの、脂っこいもの、熱いもの、酒などを多く摂りすぎていませんか?不要な物が熱をもって停滞して胃腸の動きを悪化させています。まずはさっぱり味の食事を徹底し、葉野菜をたっぷりと加熱して食べましょう。このタイプはとりあえず詰まっているものを出してあげると楽になるので、西洋薬の便秘薬も短期で使ってみるのもおすすめです。ただし西洋薬の便秘薬ではこもった熱を冷ませないので、苦瓜や胡瓜、スイカや海藻類といった熱を取る食材を一緒にとりましょう。

湿熱困脾・・・排便したいのに出ない、少量のねばる便、または泥状便、腹満、腹のつかえなどに加えて、口が粘る、吐き気、嘔吐、尿が濃く少ない、体が重だるい、黄色いベットリした舌苔などが見られます。

改善策:飲食の不摂生、脂っこいもの、酒などが要因で、熱と湿気がこもった状態です。上記の腸胃積熱に似ていますが、こちらは更に余分な水分が加わり、胃腸の動きを邪魔しています。なので、余分な水分を控えましょう。ヨーグルト、生野菜、果物、ネバネバ食品、揚げものなども控えめにし、お酒も控え、あっさり味の食事を取るようにしてください。

肝鬱気滞・・・便秘、便が細い、切れ切れの便、スッキリ出ずに残る、少量しか出ないなど不十分で不快な便通に加えて、腹満、腹痛、ガスやゲップが多い、イライラ、憂鬱、怒りっぽい・ヒステリックな反応などが見られます。

改善策:自律神経系の緊張を緩和するために、体を緩めることを意識しましょう。ストレッチやヨガなどもいいですし、深呼吸を心がけましょう。趣味に没頭する時間をつくる、休むなども意識した生活を。良い香りは自律神経系の緊張の緩和に役立つので、気に入った香りを身の回りにおいて使ってください。食事では、辛いものや脂っこいものを避け柑橘類や香味野菜を摂りましょう。

あまり不快感を伴わない虚秘の特徴と対策

気虚不運・・・排便に一苦労する、出始めが固くあとは柔らかいなどに加えて、疲労感、倦怠感、無気力、疲れやすい、元気がない、たちくらみなども見られます。

対策:気虚とはエネルギーの不足のこと。エネルギーが足りずに便を動かせない状態です。体力の回復には睡眠が重要なので、病院の消灯時間である21時を目指して行動しましょう。どうしても難しい人は、昨日より10分早く寝るよう日々心がけましょう。加えて、米やイモ類など加熱するとホクホクするものを食べましょう。

陽虚寒凝・・・便秘に加えて、冷える、寒がる、元気がない、顔が青白い、温かいところを好む、薄くて多い尿、夜間頻尿などが見られます。

対策:とにかく冷やさないこと。靴下を履く、なんなら夏でも股引を履く、腹巻きをするなどを心がけて。そして湯船にはできるだけ毎日浸かりましょう(最長15分程度)。生もの、体温より冷たい飲食を避け、にら、にんにく、ネギ、羊肉、鶏肉などを摂りましょう。

陰血不足・・・うさぎの糞のようなころころ便、唇や皮膚の乾燥、顔に艶がないなどがみられます。

対策:産後や慢性病・熱病の回復期、大出血や手術の後、または老化によって潤いが不足した状態です。栄養・体液を補うことで改善させます。過度な発汗は避けるようにしてください。辛いものを避けて、黒豆、黒ごま、牡蠣、牛肉、羊肉、豚肉、卵、うずらの卵、レバーなどを食べましょう。またしっかり休みましょう。

気陰不足・・・排便に一苦労する、便が硬いなどに加えて、疲れやすい、倦怠感が強い、無気力などの症状と、唇や皮膚の乾燥、顔の艶がないなどの症状も見られます。

対策:気虚不運と陰血不足が合体した状態です。対策はこれらの場所を参照してください。

まとめ

昔、便秘の授業で先生(中国の漢方医)が、「どんな便秘でも便秘薬を提案する前に、まずは加熱した葉物野菜をたっぷり使った、あっさり味の食事を1週間続けてもらって、それでも改善しない便秘には、薬を提案しなさい。」と言われたのを思い出します。なので皆様も、まずはどんな便秘でも加熱した葉物野菜をたっぷりと取って様子を見てみてくださいませ。

便秘はよくありがちな症状ですが、普段、毎日排便がある人がなると、なかなかに苦しい症状です。便秘の対策ではただ出せば良いだけではなく、なぜ出ないのかを分析して根本的な対策をすることが大切です。そのためには、まず実秘なのか虚秘なのかを見分けられるようになりましょう。

実秘は、不要なものを排出することで改善し、虚秘は足りないものを補うことで本来の胃腸の機能を回復させ、排便に繋げます。ここの判断を間違うと対策が真逆になるので、御注意ください。今回挙げた漢方は、使われるもののほんの一部です。試してみて大きな害は無いですが、判断を間違うと逆効果になりスムーズに治らないこともあります。よくわからないときは、僕ら漢方の専門家にご相談くださいませ。

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櫻井大典

国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書『まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』 (ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)など。

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