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ジャコウアゲハ

旬のもの 2026.04.22

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こんにちは、昆虫写真家の村松です。

今回紹介するのはジャコウアゲハです。
オスを捕まえると、麝香(じゃこう)のような香りがすることから名付けられたアゲハチョウです。

ジャコウアゲハ

黒い羽に赤い模様が印象的で、羽だけでなく体の側面も薄い赤色の模様が入っているのがポイントです。

麝香というのは香料の一種で、ジャコウジカのオスが持つ香嚢(こうのう)の分泌物を乾燥させたものです。
香水などの原料や、生薬として利用されてきました。
乱獲されて個体数が激減したので、今では代用品を使うのが一般的なようです。

ジャコウアゲハが麝香に似た匂いを出すのは、メスを惹きつけるための性フェロモンとして機能しているからです。
いつも見るだけで捕まえたことはないのですが、一度は匂いをかいでみたいです。

ジャコウアゲハの幼虫

幼虫は肉質突起が特徴的で、チョウのイモムシだと気がつかないかもしれません。
アゲハチョウのイモムシの中でも独特な雰囲気を持っています。

この幼虫が食べるのはウマノスズクサと呼ばれる植物です。
毒を持つ植物なので、触ってどうこうなるものではありませんが、食べるとよくないので他の虫からも敬遠されています。

ジャコウアゲハの幼虫は毒に対して耐性があるだけでなく、モリモリと葉っぱを食べて摂取した毒を体内に溜め込みます。
このイモムシを食べて痛い目にあった天敵たちは、警戒して襲わなくなります。

目立つ姿をしているのは、捕食者に対して自分は有毒であることをアピールする警戒色になっているからなんですね。

オレンジ色の臭角(しゅうかく)

それでも襲われることがあれば臭角(しゅうかく)と呼ばれる嫌な匂いを出すツノを出して威嚇します。

アゲハチョウの仲間のイモムシの特徴ですが、そもそも体内に毒を持っていて襲われにくいためか、臭角は短くしか出しません。

メスのジャコウアゲハ

毒を体内に残したまま成虫になるので、空を飛べるようになっても鳥などから襲われにくいチョウです。

そのために、ジャコウアゲハに姿を似せることで自分の身を守ろうとする昆虫もいます。

クロアゲハやアゲハモドキなどです。
実際には毒を持っていないのにしたたかですね。

この二種類の写真も紹介します!

クロアゲハ(同じアゲハチョウの仲間)
アゲハモドキ(ガの仲間です)

どちらも雰囲気がとても似ています。
擬態における生存戦略の一端が面白いですね!

ジャコウアゲハは、ウマノスズクサがあれば都市部でも比較的見られる昆虫です。
黒いチョウが飛んでいたらぜひ観察してみてくださいね!

写真:村松佳優

※ 日本の昆虫を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」を運営しています。ブックレットの制作もしているのでムシミルで検索してみてください。

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村松佳優

昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。

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