こんにちは、昆虫写真家の村松です。
今回紹介するのは、日本では八重山諸島で見られるヤエヤマカラスアゲハです。
何種類かいるカラスアゲハの仲間の一種です。
黒い羽を持ち、光のあたり加減で鱗粉が青や緑に輝くとても美しいチョウです。
石垣島へ行った時に初めて出合ったチョウで、とても美しかった記憶があります。
林道を歩いていると、木々の間から木漏れ日が差し、水が滲み出た場所に数頭のヤエヤマカラスアゲハが給水に来ていました。
チョウの仲間は花にやってくるイメージが強いと思いますが、種類によってはミネラルを補給するために川辺や水たまりにやってくることがあります。
岩場から染み出した水は、水たまりや小さな川のような流れを作り、地面は全体的に湿っていました。
周りを見渡すと、他にも飛んでいるヤエヤマカラスアゲハが何頭もいたので、人気の給水スポットだったようです。
しばらく観察していると羽をゆっくり広げたり閉じたりしながら水を飲んでいるようです。
その時に見える羽の色彩が、光のあたり加減でキラキラして見えるのが印象的でした。
石垣島ではたくさんの昆虫に出合いましたが、その中でも印象に強く残ったチョウです。
ヤエヤマカラスアゲハは、オスとメスで羽のデザインに違いがあります。
メスは全体に鱗粉が散らばっているのですが、オスは羽に黒い性標と呼ばれる印を持っています。
写真で見ると、前羽の一部が黒くなっているのですが、この部分がビロード状の柔らかい毛の集まりになっています。
チョウの仲間のオスがもっている性標は、そこからメスを誘うフェロモンを出していると考えられています。
羽ばたきながら効率的にフェロモンを広げられそうですね。
アゲハの仲間は幼虫が可愛いので、その姿も紹介します。
緑色のアゲハイモムシで、少し小さな眼状紋と呼ばれる目玉模様が入っています。
身近なアゲハチョウだと黄色いナミアゲハをよく見かけますが、ヤエヤマカラスアゲハは黒いので雰囲気が違って見えますね。
しかし、幼虫を観察するとどことなく同じ仲間なんだとわかるのが面白いですね。
ヤエヤマカラスアゲハは八重山諸島でしか見ることができませんが、近い種類のカラスアゲハの仲間は全国的に見ることができます。
大きくて黒いチョウが飛んでいたらカラスアゲハの仲間かもしれません。
見かけたらぜひ観察してみてください。
写真:村松佳優
※日本の昆虫を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」を運営しています。ブックレットの制作もしているのでムシミルで検索してみてください。

村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
