一滴のしずくは、雨となり、海に流れ、水蒸気となり、さらには氷にもなる。
その循環を宇宙から観測することから、「しずく」と命名された人工衛星。
今日は人工衛星「しずく」が、宇宙に出発した日です。

2011年3月11日。大震災が東日本を襲った時、「しずく」は完成間近の状態で茨城県にある筑波宇宙センターにありました。
未曾有の災害の中、開発者をはじめ居合わせた現場の方々は力を合わせて、「しずく」をビニールシートでぐるぐる巻きにして保護し、その必死な努力でなんとか致命的な故障なく持ちこたえることができたそうです。
ですが、内部に何かあっては大変です。開発者たちは復旧作業を続け、遅れた日数に立ち向かいながら、変わり果てた姿の「しずく」をまた一から調整し直していきました。

そして、1年後の2012年5月18日。守り抜かれた「しずく」は、開発者たちの様々な想いを乗せて、無事に宇宙に向かって飛び立ちました。
「しずく」には直径約2mという世界最大級のアンテナが搭載されています。
そのアンテナによって、わずか2日間で地球上の99%の場所を観測することができるそうです。
名前通り、水を観測するのですが、「水」と一言でいっても、降水量、海面水量、積雪量、土壌水分量など、合わせて8つの物理量の観測が可能です。

たとえば北極海の海氷面積の観測をすることで、地球の温暖化など環境変化を詳しく知ることができます。
さらには、気象情報の精度向上や、効率的な漁場探索など、私たちの生活に直接関わっている水の変化も観測してくれているのです。
苦難を乗り越えて宇宙から私たちを見守ってくれている「しずく」は、その特性から“地球を健康診断してくれる人工衛星”とも呼ばれています。
私たちも地球が調子を崩すことの無いように、「しずく」からのメッセージを大切にしていかなければなりませんね。

