2014年5月24日、陸域観測技術衛星「だいち2号(ALOS-2)」が打ち上げられました。
その名の通り、地球の大地を観測することに特化したこの衛星。
それだけでなく、観測から一歩踏み込んだ“精密検査”まですることができる、だいち2号のすごさをご紹介していきます。

だいち2号は「合成開口レーダ(SAR)」という観測装置を搭載していて、そのアンテナから電波を地球に向けて送受信し、反射の強さなどで地表の状況を細かく観測することができます。
この「合成開口レーダ(SAR)」のすごいところは、電波を使用するため、昼夜の明るさや雲などの天候に関係なく、地球上の様子が観測できるところにあります。

さらに、アンテナの面が衛星の真下にあるため、左右に動かしたりすることで、観測可能領域は最大2320㎞にもなります。広い範囲では一度に490㎞を調査することができます。
稼働時間も長く、地球を一周する100分のうち、連続で48分の観測が可能です。
こうした特長を生かし、だいち2号が最も活躍を期待されるのは災害の起きた時です。
災害発生時には素早く現場に向かって移動し、最短ではなんと2時間で被害のあった場所の画像を得ることができます。
例を挙げると、2015年に発生したネパール地震では、広範囲で建物が倒壊したため、救助が現地に到達することが困難でした。
そんな時、だいち2号は宇宙から迅速に広域を観測できる実力を発揮し、大きな被害を受けている地域を特定することで、優先的に救援活動が必要な地域を絞り込むための協力をしました。

国内では、近年噴火がなかった神奈川県にある箱根山の大涌谷での地表の変化を観測し、結果をもとに立ち入り禁止区域を設定、その後水蒸気噴火が起きるなど、衛星の観測による水蒸気噴火の発生場所、変化を捉えた世界初の例として火山を監視する役割の大きさを示しました。
その他にも、だいち2号のデータはハリケーン、森林火災、台風や豪雨による河川の氾濫、土砂災害での被害の把握や、世界中の森林の増減の監視、海氷の変化、地盤沈下の観測など、多くの事象で役立っています。
後継機のだいち4号(ALOS-4)も今後の活躍を期待されています。
災害大国といわれる日本を含む、世界の安全のために、だいち2号は宇宙から私たちを見守ってくれているのです。

