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そぞろ旅〜京都府一乗寺の旅

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「そぞろ旅」と題して、ゆかりのある場所を訪ね歩くシリーズ。

今回は、京都府一乗寺にある書店「恵文社」をめがけて町歩きしてきました。12月13日、14日の2日間「暦生活展」を開かせていただく、素敵な本屋さんです。恵文社さんの周りには、どんなお店やスポットがあるのだろう。気の向くままにお邪魔してきました。

恵文社と近くの公園

出町柳駅から叡山電車に乗り換え、今日は恵文社という本屋さんを目指します。今月の13日と14日に、こちらの本屋さんで「暦生活展」をするので、あらためて会場を見に行くことにしました。そのついでに、一乗寺のあたりをぶらぶらと歩いて、どんなところなのか知っておきたかったのです。

この時期の京都は紅葉が美しいので、平日ではあるけれど叡山電車はとても混んでいました。年配の方や学生と思われる若者が多く、海外からの観光客もぞくぞくと乗り込んできました。だいたいの人は紅葉のトンネルをくぐり抜けて、貴船だか鞍馬だかを目指すのでしょう。

恵文社は出町柳駅から3つ目の一乗寺駅を降ります。満員電車から抜け出してほっと一息つきながら改札を出ると、いつから設置されているのか、年季が入ってなかなか味わいのある看板がお店の方向を教えてくれました。

一乗寺はちょっと下町っぽい雰囲気で、のどかな空気感がありました。恵文社の開店は11時。駅に着いたのが10時過ぎだったので、開店までうろうろと歩いて時間を潰すことに。こういう時、念には念を入れていつも早く行きすぎるんですよねえ。

人から聞いたのだけど、一乗寺のあたりはラーメン店が多く、激戦区になっているのだそう。その中でも「天天有」と「高安」は有名らしく、お昼はこのどちらかで食べようと思っていました。まだ開店前だったけど、それぞれのお店の前を通ってみると、個人的に「天天有」の方が店構えが「昔からあるラーメン屋さん」という感じで好みだったので、あらためてお昼頃に来ることにしました。

空は高く、初冬のひんやりとした空気が心地よい。歩くのが気持ちいい。そのうち雰囲気のいい公園を見つけて、少しそこで時間を潰すことにしました。誰もいない午前中の公園は開放感があり、木々はそれぞれ紅葉、または黄葉し、やわらかな日差しを受けてキラキラと輝いていました。公園にはなにか心を穏やかにさせる効能のようなものがある気がします。木々の葉が作る木漏れ日ややわらかい風、どこか懐かしい匂い…。

そうこうしているうちに腕時計は10時50分を指し、そろそろかなと思いまだシャッターの閉まっている恵文社に戻ると、開店待ちの人がちらほらと。みんなスマホを構えながら、シャッターが開くのをいまかいまかと待ち侘びている様子。噂には聞いていたけど、すごいな。開店前の本屋さんに並ぶこともあるんですね。

11時ぴったりにスタッフの女性が4〜5人外に出てきて、手際よくいっせいにシャッターをガラガラと開けるのを見守り、ほかのお客さんと一緒にいざ入店。恵文社さん、素敵だ…。足を踏み入れてものの数秒でこの本屋さんが好きになりました。さすがイギリスのガーディアン紙で「世界で一番美しい本屋10選」に選ばれたことはある。ほどよく落とされた照明が心を落ち着かせ、さあ今日はどんな本にしようかなと、本とまっすぐ向き合える空間になっている。美しいアンティーク調の机や本棚に並べられた本たちも、居心地がよさそうでした。

スタッフの方に挨拶し、ことわってからお店の写真を少しだけ撮らせてもらって、「暦生活展」の会場を見てから本を選ぶことに。ある程度コーナーごとに分類はされているものの、普通の本屋のように出版社別に緻密に並んでいるわけではなく、たまたま目についた本との「出合い」を楽しめるようになっていました。

今回は村上春樹さんの『村上ラヂオ』(新潮文庫 絵:大橋歩)を購入。前から読んでみようと思っていたけれどなかなか買う機会をなくしてしまっていた本で、今回そぞろ旅の思い出込みで買わせていただきました。素敵なブックカバーを巻いていただいて、誰かからプレゼントしてもらったみたいに大切にカバンに仕舞い込みました。本に限らずだけど、「どこで買ったか」って、けっこう満足度に影響しますよね。

素敵なお店で欲しかった本を買うことができて、幸せな気持ちになりました。

天天有のラーメン

恵文社を出たあとは、いよいよ「天天有」のラーメンへ。混み出す少し前にお店に入り、カウンター席へ案内されました。カウンターが6席ほど、テーブル席が2、3組のこじんまりとしたお店で、昔から地元の人に愛されているのだろう、親密さを感じる雰囲気のお店でした。

お店について書かれたブログを見ていると、一乗寺にお店を構えたのが1976年の頃。長年に渡って地元の方や近隣の学生に愛されてきたことが分かります。スープはとろりとした鶏白湯のいわゆる「ポタ系」でありながら、しつこさはなくあっさりしていて食べやすい。お店の壁には天天有を取り上げた漫画の切り抜きが貼ってあって、「麺にスープが絡みついてくるから麺と一緒にスープも飲んでいる感じ」みたいなことが書かれていたと思うけど、まさにそんな感じでした。美味しいラーメンを食べると、これまた幸せな気持ちになりますね。

一乗寺下り松と八大神社

お腹が満たされた後は、かの剣豪・宮本武蔵が吉岡一門と決闘した場所だと言われる「一乗寺下り松」を見に行くことに。漫画『バガボンド(講談社)』を読んだことのある人なら、この高揚感を理解していただけると思います。そう、漫画にも出てきたあの松の木は、ここ一乗寺にあるのです。期待に胸を膨らませ、傾斜のゆるい坂道を登っていくと、やや、ありました…!立て札によると、どうやらここで、武蔵と吉岡一門が決闘したのだそうです。『バガボンド』ファンとしては機会があればぜひ行きたいと常々思っていたのですが、今回のそぞろ旅でようやく念願が叶いました。

松の木は植え継がれ、現在の松は五代目に当たるのだそう。

もう少し坂を登った先には、武蔵が決闘前に訪れたと言われている八大神社があります。どうせならそこまで足を伸ばして、武蔵が見たであろう景色をこの目で見てみることに。生きるか死ぬかの大きな決闘を前に、どのような心境だったのだろうと想像を膨らませながら、境内へと続く緩やかな坂道をゆっくりと上りました。八大神社には、代名詞である二刀を構える宮本武蔵像と、決闘当時に植っていた松の木の一部が祀られていました。でこぼことした松の古木には歴史の重みが感じられ、じつに感慨深いものでした。宮本武蔵が好きな方、歴史が好きな方、『バガボンド』ファンにはおすすめのスポットです。

立派な山茶花(さざんか)の木が植っていました。

一乗寺中谷の絹ごし緑茶てぃらみす

ちょうど小腹が空く時間になってきたので、八大神社から坂を少し下ったところにある甘味処、一乗寺中谷さんでお菓子とコーヒーをいただきました。一乗寺の郷土銘菓である「でっち羊かん」を三代にわたり作り続けている老舗で、店内は多くの人で賑わっていました。雰囲気のいいカフェスペースもあり、名前を書いて順番待ちをすることに。外の待合用の椅子の側には、艶々の葉が美しい石蕗(つわぶき)が黄色い花を咲かせ、眺めているうちに、疲れが出始めていた心を癒してくれました。黄色い花、いいですよね。

石蕗を眺めている内に順番が回ってきたので、窓側の席に案内していただきました。窓から注ぐ優しい光が嬉しい。でっち羊かんはお土産に買って帰るとして、ここでは美味しいと評判の「絹ごし緑茶てぃらみす」とホットコーヒーを頼みました。これが本当に美味しくて、自分の中ではちょっと今まで食べたことない味わいだった。大げさかもしれないけれど、唯一無二と言ってもいいお菓子なのではないか、という気がしました(自分の中では)。美味しかったので家族にもお土産に買って帰りましたが、家でも想像以上の評判でした。お土産を喜んでもらえると嬉しいですね。

ああ、今写真を見ていても食べたくなってしまう。

そのあともいろいろと一乗寺近辺を歩きましたが、これ以上はちょっと長くなりそうなので詳しくは割愛します。優しい店主のいる古本屋「萩書房」さん、心躍る品揃えの「バックス画材」店さん、芸術大学横のパン屋さん「進々堂」さんなど、素敵な場所がたくさんある町でした。またぜひ歩きたいなあ。

恵文社とクリスマスイルミネーション

最後に、日が暮れてからもう一度恵文社さんの前を通りました。小雨に濡れた道路に店の灯りが反射して、なんだか外国にひっそりと佇む本屋さんのようで、とても素敵でした。少しの間見ていると、ちょうどライトアップの時間がきて、ささやかだけど人情味のあるクリスマスのイルミネーションを見ることができました。前を通るお母さんと小学生の女の子が「わぁ」と喜んでいて、とても心あたたまる光景でした。

美しい本屋さんに、とろりとしたスープが美味しいラーメン店、宮本武蔵の足跡を辿る決闘の地と唯一無二の緑茶てぃらみす。書けなかったけどその他いろいろ。一乗寺、とてもいいところでした。ぜひお越しいただければと思います。そして、我々の「暦生活展」にもぜひ足を運んでみてください。心を込めて、バタバタといろいろ準備しております。

恵文社で巻いてもらったブックカバー。シックなデザインでお気に入りです。

“わたしだけの暦”と出会う2日間。京都・恵文社で「暦生活展2025」開催

今回の暦生活展では、カレンダーや手帳はもちろん、「暦のあゆみ」「和菓子IROAWASE靴下」「香綴(こうつづり)」など、この日のために用意した企画展示もご紹介します。展示をめぐり、商品を手に取り、“わたしだけの暦”と出会える2日間。京都・恵文社にて、みなさまのお越しをお待ちしています。

▼詳しくは下記リンク先の特設ページから

ワークショップ「ミニ熊手づくり」。自分だけの「ミニ熊手」を、楽しく一緒に作ってみませんか。(※事前予約優先)

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暦生活編集部

日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。

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