「俳句、はじめました」とは?
このページでは、できるだけ今の言葉でわかりやすく、俳句の面白さや楽しみ方をご紹介していきます。日本ならではの俳句の世界に、ちょっとだけ触れてみませんか?

「季語」とは俳句になくてはならない要素で、「特定の季節を表す言葉」のこと。5・7・5の17音の中に、季語をひとつ入れるのが俳句のルールです。
この季語を集めたものを「歳時記(さいじき)」といいます。歳時記には、基本的には季節ごとの季語、その意味、季語を使って詠まれた俳句の例などが掲載されています。

季語は全部でおよそ8000個あると言われていますが、無理に覚える必要はなく、歳時記を辞書のように引いて、その時々の季節に合わせて俳句を詠みます。

秋の季語には、ほんの一例ですが、たとえば「鰯雲」「虫」「葡萄」「月」などがあります。
こうして書いてみるとたった1~2文字の言葉ですが、そこから豊かなイメージを感じ取ることができます。
鰯雲(いわしぐも)
白い小さな雲がうろこのように広がる、高く青い秋の空。

虫
日が暮れていくのに合わせて、草むらでは虫たちの演奏会がはじまります。

葡萄(ぶどう)
夕飯のあとのデザートには、濃い果汁がたっぷりの葡萄を。

秋の夜
窓の外を見れば澄んだ空に輝く名月、訪れる静かで長い夜。

季語を並べてみるだけで、ある秋の日の場面が浮かんできますね。こうした中に小さなドラマを見つけて切りとるのが、「俳句」の面白さなのです。

先ほど例にあげた「鰯雲」「虫」「葡萄」「秋の夜」の季語を使って詠まれた俳句をご紹介します。ぜひ、情景を思い浮かべながら、じっくり読んでみてください。




いかがでしたか?
秋の季語を使って、あなたも一句、詠んでみませんか?
【参考文献】
夏井いつき(2019)『夏井いつきの 俳句ことはじめ 俳句をはじめる前に聞きたい40のこと』 株式会社ナツメ社.
宇多喜代子(2020)『NHK俳句 暦と暮らす 語り継ぎたい季語と知恵』 NHK出版