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春隣はるとなり

季語 2021.01.31

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こんにちは、こんばんは。くりたまきです。

まだまだ寒さが続きますね。そんな毎日の中にも、ふと春を感じること、ありませんか?

「春隣」は、冬も終わりに近づき、春の気配がどことなく漂う様子をあらわす、冬の季語です。

この隣っていうのが、なんだか好きです。ふと横を向いたら「あれ? いたの?」とささやかに驚いちゃうさりげなさがあって。

わたしが「春が隣にいる」と気づくのは、桜の木を見たとき。まだ開花前、つぼみがふっくらしてきた枝が幾重にも重なりあっている桜を遠目にみつめていると、ほのかに枝全体がピンクがかって見えてくるんです。

じつは桜が持つ赤い色素は、花びらだけではなく、樹皮や木の内側にも含まれているそう。草木染めの「桜染め」でも、花や葉ではなく、樹皮や若い枝を使うんですって。だからふわっと枝々がピンクがかって見えたのかもしれません。

ほかにも、「春隣」を感じる瞬間はいろいろあります。

たとえば重たいコートからスプリングコートに衣替えをして出かけて、からだが軽くなったような気分を味わったとき。もう玄関のドアを開けた瞬間から、うれしさがあるんですよね。ちょっと髪型を変えてパーマをかけたいな、なんて思うのも春を意識しはじめたころが多いです。

それから、食べもの! 春の山菜っていいですよね。山の色彩が変わりはじめると、わたしは春が来るんだなあと思うと同時に、わらびが食べたくなります。奈良の桜の名所・吉野山に行ったときの思い出がよみがえってくるのです。桜の咲く山で、地元の方々が山菜を摘むのどかな風景。採れたわらびが売っていたので買って帰ったのですが、これがおいしくて。

春には、わくわくするお楽しみが待っていますよね。

わたしは去年の5月に、いま住んでいる長崎県の波佐見町に引っ越してきて、はじめて田舎で暮らしています。まだ春の波佐見はよく知らないのです。でも、もうすでにひとつ目標があります。それは「よもぎを摘んで、よもぎもちをつくること」。

地元の人たちから、「春にはよもぎを摘んで、よもぎもちをつくるのよ」と教えてもらいました。どちらもわたしは未経験! 地元の方々に教えてもらって、一緒にやってみたいなあと思っています。ああ、春が待ち遠しい!

みなさんが「春隣」を感じるのはどんなときですか? ぜひ教えてください。わたしもわくわくしながら、春の気配を探してみます。

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栗田真希

ライター
横浜出身。現在は東京、丸ノ内線の終着駅である方南町でのほほんと暮らす。桜をはじめとした花々や山菜が芽吹く春が好き。カメラを持ってお出かけするのが趣味。OL、コピーライターを経て現在はおもにライターとして活動中。2015年準朝日広告賞受賞、フォトマスター検定準一級の資格を持つ。

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