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敬老の日

暦とならわし 2020.09.21

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おはようございます、こんにちは、エッセイストの藤田華子です。
秋の味覚を満喫できる季節になりましたね。

さて、今日は「敬老の日」。
照れくさくて日ごろなかなか口にできない感謝の気持ちや、「長生きしてね」というメッセージを伝える素敵な機会です。

敬老の日は、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを目的として、1948年に制定されたのがはじまり。当初は9月15日が敬老の日でしたが、ハッピーマンデー制度が導入され、2003年より「9月の第3月曜日」になりました。

子どもの日、母の日、父の日があるように敬老の日が存在するのも納得なのですが、ルーツを調べたところ、以外な歴史がありました。

敬老の日が制定される1年前の1947年。兵庫県にある多可郡野間谷村(現・八千多可町八千代区)の村長さんが発案者となり、農閑期で気候がいい9月15日に「敬老会」を開きました。当時は戦後の混乱期で、子どもを戦場へ送った親たちの精神的な疲労を癒やすために開催したそう。当時は「としよりの日」と呼んでいた、このイベントが敬老の日の始まりだそうです。

ちなみにこのとき、対象とされたのは55歳以上。敬老の日は祝い始める年齢は特に決められていないので、いつからが良いのか考えてしまいますよね。還暦を迎える60歳以上が対象かなと思っても、若々しい方が多いこのごろ。私も叔母に「まだ敬老の日はやめて~」と辞退されてしまいました(笑)。

最近では、還暦ではなく70歳(古希)、80歳(傘寿)のお祝いからという方もいれば、会社をリタイアしてから、実際にお孫さんが産まれておじいちゃん・おばあちゃんになってからという方もいて、人それぞれのようです。

最後に、敬老の日におすすめしたい一冊をご紹介します。
赤瀬川原平さんの『老人力(ろうじんりょく)』という本をご存知でしょうか?
前衛芸術家であり作家だった彼が、「物忘れが激しくなった」「耳が遠くなった」などの老化による衰えを、「老人力がついてきた」とプラス思考へ転換してみようと提案したエッセイです。

ふつうは歳をとったとか、モーロクしたとか、あいつもだいぶボケたとかいうんだけど、そういう言葉の代りに、
「あいつもかなり老人力がついてきたな」
というふうにいうのである。そうすると何だか、歳をとることに積極性が出てきてなかなかいい。

(『老人力』赤瀬川原平)

敬老の日を祝うサイドの方々も、この機会に老いを考える時間を作ってみるのもいいかもしれません。それでは、素敵な敬老の日をお過ごしください。

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藤田華子

ライター・編集者
那須出身、東京在住。一年を通して「◯◯日和」を満喫することに幸せを感じますが、とくに服が軽い夏は気分がいいです。ふだんは本と将棋、銭湯と生き物を愛する編集者。ベリーダンサーのときは別の名です。

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