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読書の秋

暦とならわし 2021.10.27

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こんにちは、こんばんは。
くりたまきです。

涼しい風が吹き、夜が長くなってきましたね。みなさん、読書の秋、していますか?

読書と秋、相性がいいと言われるようになったのは、ずいぶん昔のことのようです。「読書の秋」の由来としてよく挙げられるのが、8~9世紀の中国の文豪、韓愈(かんゆ)の詩の一節です。「涼しい風が吹く秋になって、ようやく灯火の下で読書を楽しめる」という内容が記されています。

はるか昔の人びとも、暑い夏が過ぎゆっくり読書できる秋が訪れることを、よろこんでいたのでしょうか。

日本では明治時代、夏目漱石が1908年に発表した小説『三四郎』で韓愈(かんゆ)の詩を引用したことがきっかけで、「読書の秋」という考えが広まりはじめたとも言われています。

そして戦後、出版や図書館の関連団体が協力して「読書週間」を秋に催してきたことで、「読書の秋」は定着してきたとされています。

いろんな歴史がありますが、過ごしやすく夜の長い秋は、じっくり読書するのに向いているなあと思います。

「読書の秋」にみなさんが読みたい本はありますか?

わたしはこの秋「ご当地読書」をしてみたいと思っています。去年から住みはじめた長崎県波佐見町にゆかりのある本を読むのです。

町の歴史を調べるなかで知った、波佐見町生まれの福田清人さん(1904〜1995年)による自伝的な児童小説『春の目玉』と『秋の目玉』が気になっています。前者は国際アンデルセン賞優良賞を、後者は野間児童文芸賞を受賞した作品です。幼いころに福田清人さんが見た波佐見町の様子も描かれていると、町の人に聞きました。読むのが楽しみです。

また、「読書の秋」に読み直したい本もあります。現在、月刊フラワーズにて連載中の漫画『青の花 器の森』です。波佐見焼と大人の恋の物語に、いつも胸をときめかせています。今の波佐見町を舞台にしていて、実在するスポットやお祭りがたくさん出てくるのもうれしいポイント。秋の波佐見町で行われる中尾山の秋陶祭のシーンをまた読んで、実際のお祭りに遊びに行きたいと思います。

自分が住む土地にゆかりのある本を見つけ、読んでみて、近所を散歩してみる。そんな「読書の秋」の楽しみ方はいかがでしょうか?

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栗田真希

ライター
横浜出身。現在は東京、丸ノ内線の終着駅である方南町でのほほんと暮らす。桜をはじめとした花々や山菜が芽吹く春が好き。カメラを持ってお出かけするのが趣味。OL、コピーライターを経て現在はおもにライターとして活動中。2015年準朝日広告賞受賞、フォトマスター検定準一級の資格を持つ。

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