こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。
日本には、多くの神社やお寺があり、そこにはさまざまな神様や仏様がお祀りされています。
神様仏様には、それぞれ「ご縁日」という日があることが多いのですが、今回ご紹介するのは「観世音菩薩」――つまり「観音様」のご縁日。
毎月18日がそれに当たるのですが、中でも年内最後の12月にやってくるご縁日は、特に「納めの観音」と呼ばれています。
この節目には、やはり今年一年の感謝を込めて、観音様をお参りする方が多いことでしょう。
そして、東京の浅草寺で17日から19日までの間に開かれる、「羽子板市」という門前市も有名です。
♪もういくつ寝ると、お正月……の歌い出しで有名な童謡『お正月』にも登場するように、昔は新年の遊びと言えば、男の子は凧揚げやコマ回し、女の子は鞠つきや羽根つきが定番でした。
今では、なかなか見たりやってみたりする機会も少ないかもしれませんが、羽子板はそんな羽根つきに使われる遊び道具です。
縁起の良い末広がりの形をした羽子板は、女の子が生まれると初めてのお正月に飾り、災いを「はね(羽根)のける」という意味を込めて邪気祓いをする文化があります。
羽子板市には、鮮やかな装飾の施された美しい羽子板が数多く並び、見ているだけでもお正月を先取りしているような華やかな気持ちになることでしょう。
それにしても、「仏様」とひとくくりに言っても、皆様もご存知のようにその種類は数多く、それぞれ異なるお役目や性格をお持ちです。
観音様は、現世に生きる私たちのやさしい味方とも言える仏様で、大いなる慈悲の心で人々を癒し、悩み苦しむ人の声を聞いて救ってくださると言われています。
時代の流れも展開も猛スピードの昨今、私たちはその渦の中で翻弄されつつも、一人ひとりが懸命に暮らしています。
素直な心や自分らしい輝きを失わず持ち続けるためには、時に神仏に手を合わせながら心を鎮めることも必要なのではないでしょうか。
そんな時には、きっと観音様が力を貸してくださるはず。
たとえ直接目には見えない力やはたらきであっても、私たちは生きる中で絶えず、さまざまな存在に見守られ、導かれていることでしょう。
目に見えず、形のない力を信じて祈ることは、ふと訪れる気づきを素直に受け止め、差し伸べられた助けにも感謝して手を伸ばすことのできる自分でいるためにも、大切なことかもしれません。
12月は「納めの観音」以外にも、5日に「納めの水天宮」、21日に「納めの大師」、24日に「納めの地蔵」、25日に「納めの天神」、28日に「納め不動」など、一年の締めくくりとして賑わう「納め」のご縁日が続きます。
ぜひ、身近にこれらの神社仏閣がある方は、納めのご縁日に際してお参りされてみてはいかがでしょうか。
紺野うみ
巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。
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