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二月堂お水取りのおはなし〜1200年受け継がれてきた伝統行事

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1200年続く、春を呼ぶ奈良の伝統行事

古都・奈良に春を告げる東大寺の「二月堂お水取り」。 奈良時代から一度も途絶えることなく今に受け継がれており、2026年で1275回目となります。 聞いたことはあるけれど、あまりよく知らないな…という方へ、どんな行事なのか書いてみることにしました。

舞台は奈良県東大寺二月堂

二月堂お水取りが行われるのは、奈良県にある東大寺二月堂です。
二月堂は、大仏殿の東側にあり、8世紀の終わりごろにできたと考えられています。今ある二月堂の建物は、1669年に建て直されたもので、2005年に国宝に指定されました。

二月堂お水取りは、修二会の中の一行事

二月堂お水取りは、3月1日から14日間にわたって行われる修二会(しゅにえ)の中の行事のひとつです。
はじまりは752年。二月堂を開いた実忠(じっちゅう)和尚が、笠置山(かさぎやま)にこもって修行していたとき、夢の中で「十一面観音(じゅういちめんかんのん)にお祈りして反省するための作法」を見たと言われています。実忠和尚は、そのやり方を人々の世界でも行おうとした、という話が伝えられています。
以来1200年以上もの間、連綿と受け継がれてきました。

木津川と笠置山

修二会

修二会(しゅにえ)は、東大寺の僧侶たちが、二月堂の本尊である十一面観世音(じゅういちめんかんぜおん)に、自分たちの罪やけがれを反省して懺悔する儀式です。同時に、国が平和で安全であることや、みなが幸せに暮らせるよう祈ります。修二月会(しゅにがつえ)とも呼ばれます。

おたいまつ

3月1日から14日までの夜、鐘の音を合図にして、大きな松明(たいまつ)が二月堂の回廊(建物のまわりの通路)で振り回されます。これは練行衆(れんぎょうしゅう)という人たちが行い、「おたいまつ」と呼ばれています。この松明の火の粉を浴びると、厄除けのおまじないになると信じられており、集まった参拝者たちは時折歓声をあげながら、その様子を見守ります。

「達陀(だったん)」の行法

12日の行事のしめくくりは、「達陀(だったん)」という儀式です。この儀式では、重さが約8キロもある大きな松明(たいまつ)が、内陣(ないじん:本尊の近くの場所)を激しく動き回ります。炎が滝のように落ちる光景は圧巻です。

お水取り

お水取りは、修二会のクライマックスです。12日の深夜から13日未明にかけ、暗闇の中を練行衆(れんぎょうしゅう)が重要文化財である閼伽井屋(あかいや)の中にある井戸「若狭井(わかさい)」へ下りていきます。そして、お香水(こうずい)という特別な水をくみ、それを十一面観世音(じゅういちめんかんぜおん)にお供えします。これを「お水取り」といいます。

若狭井は、若狭国(福井県)の小浜と水脈がつながっていると伝えられており、奈良の昔話では、このように言われています。

その昔、実忠和尚が修二会を始めるとき、全国の神さまに集まるよう知らせました。神さまたちは集まりましたが、若狭の神さまだけは魚とりをしていて遅れてしまいます。神さまはあやまり、「おわびに若狭から霊水(特別な水)を届ける」と約束しました。二月堂の下で祈ると岩が割れ、霊水がわき出て流れ続けたと伝えられます。実忠和尚はその水をお供えに使い、これが今の「若狭井戸(わかさいど)」の水だと言われています。

時代を超え連綿と受け継がれてきた伝統行事

都が平城京にあった奈良時代からはじまり、一度も途絶えることなく令和の時代まで続いている二月堂お水取り。
そこには、どれだけの人の思いや歴史が詰まっているのでしょう。
お水取りが終わると、奈良には春がやって来ると言われます。節分などと同じく、人々が新しい季節を迎えるための節目になっています。
気になった方は、ぜひ一度参拝に訪れてみてくださいね。

参考:
『現代こよみ読み解き事典(柏書房)』岡田芳朗/阿久根末忠編著

春からの新しい生活に寄り添う、暦生活まいにち日めくり

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暦生活編集部

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