大掃除にむけて、ハタキを作る
もう師走ですね。大雪となりました。冬もいよいよ本格的になってきます。雪の多い地域では、積雪になることも。平地でも冷たい風が吹いています。防寒着、また暖房機も欠かせない時節となりました。

寒さにばかり気を取られていると、あっという間に年末を迎えることになってしまいます。歳を越す前に、しなければならないことが山積みです。するべきことの順番を考えて、歳迎えの予定をしっかり組まなければ。
で、やはり外せないのは大掃除。暦の上での煤払いは12月13日とされていますが、少し早すぎますね。それでは、この日あたりに大掃除に使うハタキを作ってみるのはいかがでしょう。このごろは、手軽で機能性の高いハタキも色々出回っているようですが、基本に立ち返り、クラシックなハタキも案外使いやすいものです。今年の納めの大掃除に、試してみるのもいい機会かもしれません。

竹の柄に、リボン状の布や紙が束ねてつけてあるハタキです。今回ご紹介したハタキは、「楮紙(こうぞがみ)」を使って作ります。
楮などを原料にした和紙は、繊維が長いためで丈夫で軽く、ハタキにもってこいです。上等な和紙なのでちょっぴりもったいない気もしますが、最終的に長持ちするハタキができあがるので、決して贅沢ではありません。使用するのは1枚500円ほどの和紙の3分の1ほどなので、紙代だけなら200円もかかっていないということになります。
楮紙がなければ、少し強度が落ちますが、かな用の半紙を使ってもつくれます。半紙を縦に、二、三枚接ぎにして使ってみてください。
柄に使う竹の棒は、もし家にある古いハタキがあるならその棒を使います。なければ、「暖簾棒」としてホームセンターなどに売っているものを使ってもいいでしょう。このたび使ったのは、我が家で長い柄に悩まされていた捕虫網の柄を切って使いました。これで捕虫網の柄は短くなって使いやすくなる、切った分はハタキに使える、ということで一挙了得。捕虫網は、家に侵入してきたあらゆる虫を捕まえるのに使っているのですが、家の中で使うには柄が長すぎて困っていたのです。

竹の棒がなければ、適当な長さと太さの棒で代用してもいいでしょう。ただ、竹の棒は軽いうえによくしなって、ハタキの柄として使うのに最適なのです。
出来上がったハタキはコンパクトで軽く、埃をはたくのにも軽やかなタッチでご機嫌に使えます。年末の大掃除も、これなら鼻歌まじりで進みそう。皆さんもぜひ、和紙でハタキをつくってみませんか? 大掃除が、なんだか待ち遠しくなってきたことでしょう。


平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
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