さつま芋でスタンプをつくる
暦は巡って、もう晩秋です。霜が降るころという時節、霜降ともなれば、あたりはだいぶ秋寂びてきます。そして、秋の味覚も目白押し。イモクリナンキン、さつま芋も今を盛りとドシドシ出回っています。
さつま芋といえば、青木昆陽。「甘藷(かんしょ)先生」との別名があるとおり、日本にさつま芋の栽培を広めた蘭学者です。この甘藷先生の命日が10月のこともあり、東京の目黒不動ではさつま芋の旬のこの時期に「甘藷祭り」が催されます。お不動さんの縁日が28日なので、例年お祭りは10月28日です。
このお不動産のすぐ裏の墓地に、甘藷先生のお墓があって、東京に住んでいたころは、何度か甘藷祭りへ出かけて、お墓参りをしていました。もちろん、さつま芋もたくさん購入。境内の広いところに、さつま芋を売るテントがいくつも何列も並んで圧巻。まさに甘藷祭りです。
さつま芋は、焼き芋、天ぷら、ふかし芋、そして大学芋、とシンプルでおいしい食べ方が色々あります。が、今回は食べる方ではなく、調理するときに切り落とす、はしの部分を使ってスタンプをつくりましょう、という話です。中央の太った部分はおいしいので、スタンプには譲れません。
そんなわけで、小さなワンポイントにするスタンプです。切り口に図案を描いて、あとはカッターナイフや彫刻刀で彫っていきます。お花でもいいし、車の絵にしてもいいし。自分がスタンプにしたいものを、ごく単純化して図案にします。
さつま芋のスタンプは、スタンプ台よりもアクリル絵具などの方がよく押せるようです。水でのばさずに、チューブからそのまま筆にとって版面に塗って、紙に押します。紙に押して便箋にしたり、封筒に押したり。葉書に押してもいい感じ。
円筒形に芋をむいて、そこに模様を彫れば連続模様ができます。古代エジプトなどでも使われていた円筒印章。コロコロ転がして粘土の上に模様を浮き出させるもので、その真似っこです。こちらは絵具を塗るので、あんまり長い距離は写せませんが、模様が伸びていくところが面白い。
もうしばらくしたら、年賀状の用意も始めなくては。10月のうちに練習しておいたさつま芋スタンプを駆使して、今年は自信作を。
平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
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