◎大暑 7月22日~8月6日 「ヒルガオとコチドリ」
暑さ極まる大暑です。とはいえ、もう小暑の節から厳しい暑さではありましたが。はやくも夏の最後の二十四節気です。梅雨が明けて晴天続きとなるころで、まさに「The Summer!」といいたくなるような、気持ちのいい青空が広がります。
暑い夏の日々、あちこちでヒルガオの花が咲いているのを見かけます。アサガオが、園芸植物として大きさも形も人工的にどんどん進化していったのにくらべて、野生のヒルガオは相も変わらず薄紅色の小さな花。蔓性なので、道端のフェンスや近くの草木に絡まって咲いています。
花を一輪、蔓ごと摘んできたら小さな掛け花入れに投げ入れてみます。これがなかなかいい感じ。淡い緑色の蔓が、花入れから垂れて涼しげです。野の花の味わいは、茶花から教わることが多いですが、ヒルガオも茶席の花によく使われます。もちろんお茶席だけでなく、気軽な花として普段の部屋に飾るのもいいものです。
暑いあつい、と水辺へ出かけると、コチドリと会えるかもしれません。川や浜辺、埋立地など、水の近くにいる日本最小のチドリ。スズメより少し大きいサイズです。ちょこまかと走り回ったり急に止まったり、せわしなく動く姿が愛くるしくて見飽きません。
コチドリは夏鳥。夏に咲くヒルガオの花とお似合いです。コチドリさん、あともうしばらく、ヒルガオの花が咲いているあいだはこちらで過ごしていってくださいね。

平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
