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二十四節気と暮らしの道具/大暑たいしょ

二十四節気と七十二候 2024.07.22

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大暑 7月22日~8月6日 六月中〈暑気いたりつまりたるゆえなればなり。『暦便覧』〉

グラスで冷たい飲み物を

夏至からおよそひと月後、大暑となりました。梅雨も明けて、一年のうちで最も暑さの厳しい時節です。蝉も盛んに鳴いて夏真っ盛り。キョウチクトウの花が揺れ、ホウセンカ、ヒャクニチソウ、オシロイバナにグラジオラス、夏休みの思い出とともにあったあんな花、こんな花も咲き誇っています。

青い空に入道雲。夏はあっという間に行ってしまうから、とにかく存分に大切に謳歌したいものです。気がつけば、大暑は夏の最後の二十四節気。次の節気にはもう立秋が待っています。そう思うと、さらに大事に過ごしたい夏なのです。

暑さの極となる大暑の日々、水分補給は重要事項。ひんやり冷たい飲み物で、体を冷やしてひと心地といたしましょう。これは、暑い季節のよろこびでもあります。さて、何を飲みましょうか。麦茶に梅ジュース、アイスティーに白ワイン。もちろんビールだって夏の幸せです。そしてスポーツドリンクも。どの飲み物も、夏になくてはなりません。

飲み物を選ぶときは、同時にグラスも選びたい。我が家では、それぞれの飲み物に使うグラスが長年の間に定番となりました。多少役割分担が変わることもありますが、ほぼいつも「この飲み物にはこのグラス」と決まっています。

もうすでに必要十分なグラスは持っているのに、それでも素敵なグラスを見つけるとつい入手したくなってしまう物欲大魔王。「そんなに欲しいか? それではこのグラスで自分は何を飲むのだい?」。自問自答して、納得のいく答えが出たら、購入許可が出ます。自分で出すだけですが。

好みとしては、吹きガラスの柔らかな風合いが好きなので、いろいろなガラス作家さんのグラスが手元に集まりました。いっぽう、ソーダガラスの親しみやすい型抜きグラスも愛おしい。どれも自分で気に入って手に入れたグラスなので、長くながく使い続けたいものばかりです。とくに暑い夏の間は、どのグラスも食器棚の最前列にずらりと並んで、自分の出番を待っています。

さて、本日は何を飲みましょうか。並んだグラスを眺めて、グラスから飲み物を決めるのもいいかもしれません。

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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