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目の愛護デー

旬のもの 2020.10.10

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こんにちは、国際中医専門員の櫻井です。
今日は10月10日「目の愛護デー」ということで、目のお話です。

今年は厳しい猛暑から一転して涼しい秋となりましたね。暑さに慣れた体にはこの寒暖差も中々ストレスになるものです。
秋はまた、乾燥の季節でもあります。ジメジメした重い空気がカラっと軽くなり、心地よさはあるのですが、60%以上が水分の人体には、あまり良くない影響もあります。とくに常に潤いが必要で、かつ、外気と常に接している目には、つらい季節なのです。

目が重たい

乾燥する

ごろごろする

充血する

これらは目の不調でよく訴えがある症状です。この程度なら放っておくという方も多いとは思いますが、涙は目を潤すだけでなく、栄養を与え、異物を流し、殺菌する作用までも併せ持ちます。目が乾燥するということは、単に疲れるという状態だけでなく、栄養が届かず、異物が停滞しやすく、菌が繁殖しやすい状態と言えます。また目の疲れから、頭痛や肩こり、腰痛なども引き起こす要因となりえます。

目の健康対策

ドライアイは乾燥なので、湿度を適度に保つことが重要です。常にディスプレイやスマホの画面を見続けるということは、瞬きの回数を減らし、目の表面を乾燥させます。定期的な休憩で目をやすませることや瞬きをこころがけること、そして、画面を目の位置より下にして、目を見開く大きさを減らすことも有効です。また小さな加湿器を使うなどして、周辺の乾燥環境を改善することも有効です。加湿器がなければ蒸しタオルをおいておく、水を入れたコップをおいておくだけでも全く何もしないよりは過度な乾燥を防げます。

あとは、換気をしっかりしましょう。ホコリやチリなども目の炎症の元になります。また、過剰に明るい照明も目の疲労を招くので、適度な明るさにしましょう。

中医学では

中医学では、目の不調は肝の不調として考えます。そしてその肝は腎によって支えられていると考えます。

肝とは、現代医学が指す肝臓ではありません。中医学が指す肝は、血を蓄え、筋肉の調整や目の調整、自律神経系の調整を行う場所です。肝は、全身の臓器や組織、器官に栄養を与え、体を潤わせています。肝に蓄えられている血が不足すると、臓器などの栄養がたりずに、乾燥するようになります。目の不調もその一端として起こるわけです。

肝はまた、怒りによって傷つけられる(弱る)と考えます。この怒りとは単純に怒ったという感情だけでなく、精神的なストレス全般を指します。ストレスが長期間続くことで、肝にダメージが出て、肝の血が十分に蓄えられず足りなくなります。すると乾燥症状に加えて、イライラや落ち込みなどで情緒が安定せず、のぼせや不眠、目の充血・つかれ・乾燥などが出やすくなります。

中医学が指す腎もまた、西洋医学がいう腎臓ではなく、成長・発育・生殖を司る、人体エネルギーが蓄えられている場所です。目の不調は腎の不調の現れであるとも言え、目の疲れ、かすみ、ぼやけ、目の奥の痛み、眩しさ、乾燥、涙などは、老化現象の一つとしても考えられます。

体の中から整える

目の不調の改善には、肝を潤す対策や腎を潤す対策をします。肝は血で養われるので、血を補う食材を積極的に摂りましょう。

また潤いや血は夜寝ている間につくられますので、夜はできるだけ早く寝ることが重要です。上記の食材を正しくとってもドライアイになる方は、睡眠が遅いか、足りないか、睡眠の質が悪いのかもしれません。

目の乾燥や目の赤みなどは多くが乾燥状態によるものです。目の乾燥は日々の食事の偏りや過労や睡眠の不足によって助長されます。目を休める時間を確保すること。目によい潤いや血を補う食材をたっぷり摂ること。そして早く寝ることが乾燥の時期に目の不調を防ぐ対策となります。

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櫻井大典

国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書『まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』 (ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)など。

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