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五月病ごがつびょう

旬のもの 2021.05.20

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なんだか元気が出ない、眠れない、意欲がわかない、ネガティブな考えがぐるぐるぐるぐる止まらないというご相談が、4月後半から5月ごろに多くなります。
五月病と呼ばれる状態ですね。五月病の初期の状態は、気分の落ち込み、寝付けない、不安感などなど。憂鬱感や倦怠感がつきまとい、悪化すると学校や仕事に行けなくなったりするかたもいらっしゃいます。

新しい環境、新しい仕事、新しい職場、新しい住まい。“新しいこと”は、気持ちが晴れやかになる反面、その環境に適応しなくてはならず、いままでの習慣からの変化を求められます。変化に適合することは、それが良い変化であれ、悪い変化であれ、体と心にとっては常にストレスになります。特にこの時期は、寒暖差も激しく、気圧差も激しいので、精神的な負担に加えて環境的なストレスも加わり、心だけでなく体も疲弊します。

そもそも五月病というのは医学的な病名ではありません。症状から照らし合わせると、適応障害や睡眠障害、うつ病などが該当するでしょう。

気滞(きたい)と気虚(ききょ)

中医学では五月病を、精神・環境・肉体のストレスが過多で、食欲がなくなり、イライラしたり落ち込んだりと、情緒が不安定になるような状態で、これを「気滞(きたい)」といいます。全身をくまなく巡る気の流れが停滞した状態です。気は、動くためのエネルギーであり、精神安定の要であり、防衛力であり、胃腸や排尿などのために内臓を動かすエネルギーです。気が隅々まで巡っているからこそ、体内の活動は維持され、気分も安定しますが、滞ってしまうと、気/エネルギーが足りず機能が低下し様々な不調が出ます。

また元気がない、気力がない、疲れやすい、動きたくない、口数が少ない、横になりたいなどの場合は、気というエネルギーが足りない「気虚(ききょ)」状態といいます。

気滞は精神的、環境的様々なストレスが引き金となり起きることが多いです。気虚は、働きすぎや動きすぎ、休息が足りないなどで消耗しすぎたか、飲食の不摂生や上記のストレスの影響で、気の流れが滞り、胃腸の動きが悪くなったことで、飲食物から作られる気が足りなくなった供給不足が考えられます。

4月の忙しさや環境変化などが影響して、気滞や気虚状態になって五月病と呼ばれる状態になったことが考えられますね。

対策をみていきましょう。
気のめぐりを良くするためには、良い香りをかぐこと、ストレッチをすること、のびのびと過ごすことなどが考えられます。

気のめぐりを改善してくれるもの

良い香りの代表はみかん、ぶんたん、ゆず、きんかん、すだち、グレープフルーツ、シークワーサーなど。実際に食べることよりも皮を向いて嗅ぐことが重要です。無農薬のものがあれば皮を乾燥させてポプリのようにしてもよいし、乾燥させたみかんの皮と緑茶を混ぜて淹れ、香りを楽しみながら飲むのもよいでしょう。また、しそ、バジル、三つ葉、みょうがなどの香草も同じく気のめぐりを改善してくれるのでおすすめです。その他、玉ねぎ、ピーマン、カジキマグロや、クミン、ターメリック、ナツメグなどのスパイス、カモミール、ジャスミン、金木犀、ラベンダー、バラなどのハーブもおすすめです。

またストレッチをすることで、気のめぐりの道を開いて流れやすくしてくれます。体を伸ばしながら歩くなどもよいでしょう。また、そぞろ歩き、自然の中をなにも決めずに散歩するなどもとってもおすすめです。

お休みの日は柑橘やハーブティーを持って近所を散歩してみるのもいいですね。

気を補う食事

気を補うには、まずしっかり休むこと。働いて余った時間に休むのではなく、しっかり休むことをスケジュールに組み込みましょう。なかでも睡眠は一番の気の補給対策です。養生での睡眠で重要なことは、どれだけ寝たかよりも、何時に寝たかです。理想は22時。遅くても24時を迎える前に寝てくださいね。寝ないと回復しないですよ。

もちろん食事も大切です。胃腸を元気に保つためには、胃腸が嫌う、脂っこくて味の濃いもの、甘いもの、冷たいもの、生ものなどは控えて、補気(エネルギーを補う)力を持った、米、イモ類、山芋類、豆腐、納豆、あさつき、アスパラガス、大豆・枝豆など豆類、かぶ、かぼちゃ、しいたけやしめじなどきのこ類、アボカド、さくらんぼ、ぶどう、いわし、うなぎ、エビ、カツオ、鮭、さざえ、サバ、さわら、たこ、たら、ぶり、まぐろ、ます、牛肉、鶏肉、羊肉、豚肉などを食べましょう。

野菜類は基本加熱して、果物は常温で、肉類は少なめに食べるのがコツですよ。

元気がでるツボ 関元(かんげん)と湧泉(ゆうせん)

関元は、元気の関所。へそから指4本分下にあるツボ。押すより温めるほうがやりやすいので、カイロを貼るのもよいです。

湧泉は、元気が湧き出すツボ。土ふまずのやや上、足の指を曲げたときに、ちょうどくぼむところにあります。ゴルフボールとか硬いものを踏んで刺激するのがおすすめです。

やる気が出ない、眠れない、食べられないなどなど、不調が続くようならとにかく早めに専門家に相談してください。食事で改善できる程度は浅い段階です。ひどくなる前に漢方薬で対策するほうが改善も早いです。つらい状況を我慢して乗り越えるというのは、あまりおすすめしません。危機的状況にある場合は、そこから脱出するという選択肢は必ず残しておいてください。今ある場所だけが唯一の世界ではありません。ほかに活躍できる場が必ずあります。漢方もそうだし、いろんな専門家がいますし、行政の助けもあります。いろんな対策があることを忘れないでいてくださいね。

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櫻井大典

国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書『まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』 (ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)など。

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櫻井大典|ゆるかんぽう