おはようございます、こんにちは。エッセイストの藤田華子です。
寒い毎日、冷たい風にブルっとなるたびに、おへその少し下「丹田」に力を入れて歩くと少し寒さが和らぐ気がします。
今回は、思い浮かべるだけで口の中が酸っぱくなる「レモン」についてです。
「この時期にレモン?」不思議に思う方もいるかもしれませんね。
爽やかな夏の食べ物というイメージがつきがちですが、実は国内産レモンの収穫時期は、夏ではなく12~3月頃。つまりレモンは、冬が旬の食べ物なんです。1年を通してスーパーや八百屋さんに並んでいるものは、アメリカやチリなど海外から輸入されているものがほとんどです。
国内産レモンの生産量50%以上を占めるのは、「瀬戸内レモン」でおなじみ広島県。主に、瀬戸内海沿岸部の芸予諸島で作られています。暖かい気候のなかで育つので、ほかには愛媛県も高い生産量を誇ります。
日本でレモンが作られるようになったきっかけは、明治初期・1873年の静岡県にあると言われています。ゆっくり温泉に浸かり体を療養する目的で来日していた外国人客が、庭先にレモンの種を撒いたそう。そののち、静岡県と気候が似た和歌山県、さらに西へ伝わっていき、現在では瀬戸内海が日本屈指の生産地になりました。
それでは、ここでレモンの豆知識。
よく「ビタミンCがレモン○個分入っています!」という宣伝文句を見かけますが、実はレモンのビタミンC含有量は、果物の中でもダントツで多いというわけではありません。
アセロラ(酸味種、生):1,700mg
ゆず(果皮、生):160mg
キウイフルーツ(黄肉種、生):140mg
レモン(生):100mg
いちご(生):62mg
では、なぜレモンが「レモン〇個分の~」と表記されるのでしょう。
調べてみたところ、「レモン(生):100mg」「レモン(果汁):50mg」と、ビタミンC含有量がキリのいい数字だからという説をちらほら見かけました。
1日にビタミンCを摂る推奨量は、成人の方は100㎎が目安なのだそう。人間はビタミンCを体内で作れないので、実はレモンを1日に1個食べると、ちょうどビタミンCをまかなえるということになります。計算するにも、目安にするにも便利です。
外国産レモンの皮には農薬や防カビ剤が使われていることがあるため、皮まで食べる場合は国内産のほうが安心です。塩レモンにして料理に取り入れたり、紅茶に輪切りにして浮かべたり。この時期はレモネードもおすすめです。もちろん揚げ物に添えても。
ちなみに、レモンはイメージ・象徴としても存在感があり、私はそこが気に入っています。たとえば、梶井基次郎の代表作『檸檬』。自己の鬱屈した現実を吹き飛ばす象徴として、レモンが登場します。
青春の味、爽快感の象徴…さまざまな言葉で語られるレモンのイメージを胸に、冬の時期、国内産の旬を味わってみてはいかがでしょう。きっと、美味しさもひとしおです。
藤田華子
ライター・編集者
那須出身、東京在住。一年を通して「◯◯日和」を満喫することに幸せを感じますが、とくに服が軽い夏は気分がいいです。ふだんは本と将棋、銭湯と生き物を愛する編集者。ベリーダンサーのときは別の名です。
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