こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。
皆さんは「庭園」と聞くと、どんな光景を思い浮かべるでしょうか?
生き生きとした草木や、季節を彩る花、水や石のある風景など――大自然の美しさを再現するかのように、人間が人工的に作り上げた自然のある庭。それが、庭園です。
「庭園」と呼べるものは、さまざまな国において、そこで独自に発展したスタイルがありますが、やはり日本で暮らす人にとって一番なじみ深いのは日本庭園かもしれません。
西洋の「庭園」というと、それは宮殿などに作られ、きっちりと左右対称に区画を分けられた花壇や、中央には立派な噴水がある……。そんな風に、人間が建築の中に、植物などを含めた造形美をデザインしている形が多いです。
それに対して、日本庭園は左右非対称で曲線的、ごく自然な風景を限られた空間で再現する中に、美しさを求めていることが多いと言えます。
古代の日本では、大自然が神仏の作ったものであることから、庭は神仏に捧げるものと考えられていました。
神々をお祀りするために祓い清めた場所を指し、神聖な神様の庭――「斎庭(ゆにわ)」と呼んだのです。
時代とともに文化が進むにつれ、庭園は日本人がありのままの自然の美しさを愛するがゆえに、自然とのかかわりにおける心の安らぎを求め、住まいの身近に作られるようになりました。
日本庭園の多くは、池を中心にその土地の起伏も生かしながら、築山(つきやま=人工的に作った山)を築いて草木を植え、庭石なども配置して、四季折々の景観を計算して作られています。
水のない庭園としては、禅寺などに多く造られた、白砂に跡をつけて水の流れを表現する「枯山水(かれさんすい)」が有名ですね。
そして美しい自然の中には、それを引き立てるように灯篭や東屋(あずまや)、太鼓橋や飛び石などといった人工物もさらりと溶け込ませ、違和感なく自然と一帯にしてしまうところは、日本人の感性のすごいところかもしれません。
また、建物の中からの眺めを計算して、そこから外を見るだけで壮大な自然界を手近に感じられるように造られた庭園もたくさんあります。
とにかく、日本人は常に、暮らしのそばに自然とのかかわりを持っていたいと願っていたのではないでしょうか。
それは、自然とのつながりが心を和ませ、日々の活力につながっていくことを自然と理解していたからかもしれません。
皆さんの身近には、自然を感じられる庭園があるでしょうか?
日本の三大庭園と言えば、水戸の偕楽園(茨城県)、金沢の兼六園(石川県)、岡山の後楽園(岡山県)が挙げられますね。
その他にも、大小を問わず、数多くの庭園があります。
ぜひ、先人が作った小宇宙のような「庭園」の世界を、そぞろ歩いてみてくださいね。
きっと心が静かになって、「自然っていいな」としみじみ感じられることでしょう。
紺野うみ
巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。
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