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カイコ

旬のもの 2024.01.28

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こんにちは、昆虫写真家の村松です。
昆虫の写真を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」の運営をしています。ムシミルで検索してみてください。

今日はカイコがテーマですが、まずは糸のお話。
高級な天然繊維にも色々ありますよね。その中に昆虫が作った糸があります。
上品なツヤと繊細な手触りが素晴らしい絹糸のことです。
シルクとも呼ばれます。

この糸はカイコの幼虫がサナギになるときに作る繭から取ったものです。
ですから、幼虫にはシルクワームの名称もあります。

繭づくりを始めたカイコの幼虫

カイコは、品種改良によって完全に家畜化され、人の手で育てないと生きていけません。
自然の中で生活する力を失い、飛ぶこともできなくなりました。

糸を取るために養殖することを養蚕(ようさん)と言います。
一時は、日本でも本業から副業まで多くの工場や養蚕家がいたと聞きますが、安価な化学繊維の普及などにより、今では養蚕を営んでいる人はほとんどいません。
私も本格的に仕事でやっている人にはあまり会ったことがありません。

カイコの繭

しかし、飼育技術が確立されていることや、短期間で成長の様子が観察できることなどから趣味での飼育もしやすい昆虫です。

幼虫は毎日もりもりとエサを食べ、一ヶ月も経たないうちに繭になってくれます。
卵から出てきたばかりの時は黒い幼虫ですが、成長すると白いイモムシに変化します。
その姿はムチムチでとても可愛いです。

飼育がしやすいのは、エサにも理由があります。
カイコは基本的にクワの葉しか食べませんので、近所に桑の木がないとエサを確保するのが大変です。

しかし、長く研究されてきたカイコには人工飼料が開発されました。そのおかげで、飼育しやすくなりました。

成長した幼虫

幼虫も可愛いですが、一番人気が高いのは成虫のカイコです。
白い体と羽のもふもふがとても可愛いと評判になります。
飛べなくてもしっかりと羽はあります。

メスのフェロモンを感知すると、おとなしかったカイコが急に暴れ出して驚くこともあります。
その時にも羽を一生懸命ばたつかせるのですが、やはり飛ぶことはできないので小さな脚でメスを探して走り回るのです。

カイコの成虫

カイコはとても人との関わりが深い昆虫です。
飼育や観察がとてもしやすい昆虫ですのでオススメです。

触りすぎると弱ってしまいますが、実際に触れてみると小さな命が強く生きていることを感じることができると思います。
機会があればぜひ飼ってみてくださいね。

指のりカイコ

写真:村松佳優

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村松佳優

昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。

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