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初雷はつらい

旬のもの 2025.03.16

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こんにちは。気象予報士の今井明子です。
日ごとに春らしくなってきました。この季節は、晴れたり雨が降ったり、気温が暖かくなったり寒くなったりと、目まぐるしく天気が変化します。

今回のテーマである「初雷」は、立春後に初めて鳴る雷のことをいいます。
初雷の鳴る時季はちょうど啓蟄の時季にも当たります。雷の音に驚いて虫が穴から出てくると考えられているため、初雷は「虫出しの雷」とも呼ばれます。

雷といえば夏の風物詩だと思うかもしれませんが、春にも雷は発生します。
雷をもたらすものは積乱雲なのですが、ちょうどこの季節に大陸からやってくる低気圧の寒冷前線では積乱雲が発生しやすいのです。

暑い季節に発生する雷と違い、この季節の雷はひょうが落ちてきやすいという特徴もあります。ひょうは大きな氷の粒で、気温が高ければ落下する途中にとけて雨になりますが、まだこの季節はさほど気温が高くないので、とけきらずに氷のまま降りやすいのです。雷とともにボタボタボタっと大きな音がして、気がついたらあたり一面が氷で真っ白になっている。そんな風景が見られるのも、この季節ならではかもしれません。

寒冷前線が通過したあとは、寒気が入ってきて気温がぐんと下がります。せっかく暖かくなったのにまた寒くなるのは嫌なものですが、低気圧の温暖前線が通過して暖かくなり、寒冷前線が通過して寒くなりを繰り返していくと、いつの間にか寒い日が減っていることに気づきます。まさにひと雨ごとに暖かくなっていくことが実感できる季節です。

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今井明子

サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。

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