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長良川鵜飼開きながらがわうかいびらき

旬のもの 2025.05.11

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日に日に緑が濃くなり、日差しも眩しさを増して、すっかり初夏の陽気ですね。
岐阜県岐阜市の長良川ではこの時期に「長良川鵜飼開き(うかいびらき)」が行われます。

長良川の鵜飼は、毎年5月11日に開幕し10月15日まで行われる伝統行事です。中秋の名月と増水時を除く毎夜行われます。篝火(かがりび)をたいた舟に鵜を操る鵜匠(うしょう)が乗り、10-12羽の鵜を手縄で操り、明るさに驚いて動く鮎を捕える漁法です。
1300年以上にわたって受け継がれ、この時期になると国内外から多くの観光客が訪れる、風物詩です。

「ホウホウ」

すっかり日が落ちて、真っ暗闇の中、篝火に照らされた舟の上では鵜匠の声が響きわたります。「ホウホウ」という掛け声は、鵜を励ます合図。合わせて、鵜匠がドンドンと舟べりを叩く音や、鵜がチャポンチャポンと勢いよく鮎を捕えていく音が重なり、幻想的な音の世界が広がります。

長良川鵜飼の見どころは、やはり「鵜匠」の鵜を操る技術だと思います。
鵜匠は6名で「宮内庁式部職鵜匠」に任命されており、世襲のため、誰もが就ける職業ではありません。約20羽の野生の海鵜と一緒に暮らし、2年ほどかけて鵜を一人前に育てるといいます。毎日喉や腹に触れて体調を把握しながら、魚を吐かせるタイミングや、紐のかけ方、鵜の体の触り方や縛り方を習得していき、漁に連れていく鵜を選びます。

やがて年老いて漁ができなくなり引退した鵜も、引き続き鵜匠の家で暮らし、鵜匠の家で生涯を終えるのだそう。長い時間をかけて育てられた家族のような強い絆が、鵜飼を成り立たせているのだと思うと胸が熱くなりますね。

実際の鵜飼漁では、鵜舟と観覧船が並走して、川を下りながら漁をする「狩り下り」を行います。狩り下りを終えると、クライマックスの「総がらみ」へ。6艘の鵜舟が川幅いっぱいに斜めに広がり、一体となって鮎を浅瀬に追い込んでいきます。
そうして夜中に鵜飼漁を終え、篝火を川に落として火を消し、鵜たちを鳥屋籠に戻して休ませます。こうして鵜飼の一日が終わります。

これらをほぼ毎日毎晩、約5ヶ月にもわたって続けるというのだから、すごいなぁと思います。長い時間をかけて日々繰り返される鵜飼の営み。そんな鵜匠たちと鵜たちのひたむきな姿を、いつか私も長良川のほとりで見届けてみたいなぁと思います。

参考

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高根恭子

うつわ屋店主
神奈川県出身、2019年に奈良市へ移住。
好きな季節は、春。梅や桜が咲いて外を散歩するのが楽しくなることと、誕生日が3月なので、毎年春を迎えることがうれしくて待ち遠しいです。奈良県生駒市高山町で「暮らしとうつわのお店 草々」をやっています。好きなものは、うつわ集め、あんこ(特に豆大福!)です。畑で野菜を育てています。

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